◆米男子プロゴルフツアー 今季メジャー初戦 マスターズ 第2日(7日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC=7545ヤード、パー72)
【オーガスタ(米ジョージア州)7日=岩原正幸】第2ラウンドは雷雲接近による2度の中断を経て、順延となり、39人がホールアウトできなかった。2年ぶり制覇を狙う松山英樹(31)=LEXUS=は8番までに2バーディーを奪い、3アンダーの暫定18位。ブルックス・ケプカ(米国)が67で12アンダーの同首位となった。17番ホールのティーグラウンド左では、強風により3本の松の巨木が折れて倒れるアクシデントが起きた。天気が急変する激動のマスターズでも、冷静にプレーする松山を「見た」。
チップインバーディーを逃した9番。残り59ヤードからの松山の第3打はカップをかすめて脇で止まり、観客の歓声が上がる。あとはパーパットを入れるだけ…。そこへ2度目の中断を告げるホーンが響く。サスペンデッドとなり、松山から苦笑いが出た。
中断とほぼ同時刻に松山のいた9番から離れた17番ティーで、40メートルはあろうかという巨大な松の木3本が倒れる前代未聞の出来事が発生。生涯グランドスラムに王手をかけていたマキロイ(英国)もまさかの予選落ちが濃厚と、まさに嵐のマスターズで“日本の大木”松山は晴天の中でどっしりとそびえ立っていた。
8番までしかプレーできなかったが、初日に1メートルほどのパットを2度逃し「うまく合わせられれば」と課題に挙げていたグリーンに適応。序盤の2番パー5で、グリーン右のバンカーからの第3打を2・5メートルにつけて初バーディーを奪取。落ち着き払った様子で表情を変えることなく、帽子に手をやり拍手に応えた。
12度目の出場で、大会前の練習ラウンドの調整は計1Rだけ。これまでのプレーを振り返れば、オーガスタのコースを知り尽くしていると改めて感じた。4番パー3はグリーン右に外したが、絶妙なアプローチでパー。5番での14メートルのバーディーパットもスライスラインに乗せ、あとわずかでバーディーという見せ場で会場を盛り上げた。
6番グリーンで雷雲接近により約20分間の待機となった。8番は珍しくティーショットでフェアウェーを外し、右のバンカーに入れながらも3オンから4メートルを沈め、2つ目のバーディーを奪った。時折、曇りから雨、冷たい風が吹く中でも、日本のエースは集中を切らさずスコアを伸ばした。
急激に気温が冷え込む予報の8日は1・5R以上の長丁場で9年連続の予選通過はもちろん、上位をうかがうことになりそう。昨年大会第3日には気温9度の寒さの中で戦っており、首や手首が万全ではない状況でも、これまでの経験を生かす。