◆女子プロゴルフツアー 楽天スーパーレディース 第2日(28日、兵庫・東急グランドオークGC=6636ヤード、パー72)
53位からスタートした小祝さくら(ニトリ)がツアータイ記録の8連続を含む9バーディー、ボギーなしの63で回り、通算10アンダーまでスコアを伸ばし、首位と1打差の3位タイに急浮上した。小祝と同じく北海道出身で20歳の宮沢美咲(HESTA大倉)、小祝と同組でプレーした鈴木愛(セールスフォース)が通算11アンダーで首位に立った。
最高記録が36・7度に達した酷暑の中、歴史に残る好プレーを見せた小祝は、いつも通りにおっとりした“小祝節”で快挙を振り返った。
「バーディーは4連続くらいと思っていた。まさか8連続バーディーとはびっくりしました。暑すぎてスコアを考えている暇がなかった。頭が回りませんでした。命の危険を感じました」
小祝は1番でバーディー発進。2、3番をパーとした後、4番から6連続バーディーで、前半のハーフで7バーディー、ボギーなしの29をマーク。後半も勢いは止まらず、10番、11番でもバーディー奪取。11年スタンレーレディス第3ラウンドで諸見里しのぶ、19年富士通レディース第2ラウンドで成田美寿々がマークした8連続バーディーのツアー記録に並んだ。12番パー3で約7メートルのバーディーパットが惜しくも決まらず、連続バーディーのツアー新記録は逃したが、9バーディー、ボギーなしの63の圧巻のゴルフ。昨年大会で稲見萌寧と勝みなみがマークした64の大会コース記録を1打更新した。
第1日、小祝は10番からスタートし、10番と13番でダブルボギーを連発。4オーバーと大きく出遅れ、その時点では最下位に沈んだ。しかし、その後、6バーディー、1ボギーと立て直し、第1日を1アンダーの53位で終えた。そして、第2日に驚異のバーディーラッシュ。一時最下位から優勝争いに加わった。
「初日は出遅れてしまって、2日目はカットライン(予選通過ライン)を気にしながらのプレーになると思っていましたけど、意外にバーディーがきました」。小祝は歴史的な快挙にも全く興奮することなく、ほんわかした表情で振り返った。
最高気温が36度だった26日のプロアマ戦後、小祝は「試合が始まる前に体力が奪われる感じです。今週、無事に生還できるように」と苦笑いしながら話していた。一時最下位から見事に「生還」し、抜群の存在感を発揮している。
全選手にとって、今大会の最大の敵は「暑さ」。来週以降は、北海道meijiカップ(8月4~6日、北海道・札幌国際CC)、NEC軽井沢72ゴルフトーナメント(同11日~13日、長野・軽井沢72G北C)、CATレディース(同18日~20日、神奈川・大箱根CC)、ニトリレディス(同24~27日、北海道・小樽CC)、ゴルフ5レディス(9月1日~3日、北海道・ゴルフ5C美唄C)と5週連続で北海道、あるいは避暑地での開催が続く。
「とにかく、あと2日。体力勝負になると思います。集中力を切らさないように頑張ります」。2戦前のミネベアミツミレディス北海道新聞カップで念願の地元初優勝を飾り、先週の大東建託・いい部屋ネットレディスでも2位と好調。待望の北海道への凱旋(がいせん)の前、残り2日間“熱戦”に臨む。
◆小祝さくら ツアー記録の8連続を含む9バーディー
1番パー4 第2打を8アイアンで3メートルにつけてバーディー
4番パー5 残り205ヤードから3ユーティリティーで2オン成功。9メートルを2パットでバーディー
5番パー4 48度のウェッジで5メートルにつけてバーディー
6番パー4 4メートルバーディーパットを沈める
7番パー5 残り45ヤードの第3打を3メートルににつけてバーディー
8番パー3 第1打を6アイアンで6メートルにつけてバーディー
9番パー4 第2打を右バンカーから9アイアンでベタピンにつけて「お先に」バーディー
10番パー4 残り140ヤードの第2打をベタピンにつけてバーディー
11番パー4 第2打を残り125ヤードの右ラフから3メートルにつけてバーディー