ダイヤモンド世代の竹田麗央、初優勝へ王手 一家そろってG党「今年は投手が良さそうなので、期待したい」


竹田麗央

竹田麗央

◆女子プロゴルフツアー ヤマハレディース 第3日(30日、静岡・葛城GC山名C=6455ヤード、パー72)

 1打差2位から出た竹田麗央(りお、20)=ヤマエグループHD=が7バーディー、2ボギーでこの日最少の67をマーク。通算10アンダーの単独首位に浮上し、初優勝に王手をかけた。ツアー屈指の飛距離を武器に今季4戦で2度、最終日最終組でプレーも、ともに5位。1993、94年賞金女王の平瀬真由美(54)の姪(めい)は、“三度目の正直”で初Vを狙う。2打差2位で昨年大会覇者の穴井詩(らら、36)=ゴルフ5=、川岸史果(29)=加賀電子=が追う。

 最大瞬間風速14・2メートルの強風を苦にせず、竹田が圧巻のバーディーラッシュだ。インから出て18番パー5で2オン狙い。わずかに右手前カラーに落ちたが、「2パット」で楽々スコアを伸ばした。これで勢いに乗り、4番まで5連続バーディー。「風が強いとリズムが速くなりがちなので、ゆったり振ることを意識した」。自分のスイングを徹底し、スコアメイクした。

 最終日を単独首位からプレーするのは今回が初めて。ドライバー平均飛距離が260ヤードに迫るツアー屈指の飛ばし屋は「パー5で2オンを狙えるところが多いので有利」とコースとの相性の良さを実感している。6歳からゴルフを始め、同時期には野球をする兄、弟とともにバッティング練習。平瀬真由美の姉で母の哲子さん(55)がトスする白球をひたすら打ち続け、ゴルフの飛距離にもつながるパワーを身につけた。

 一家そろってのG党だ。幼少期から地元・熊本に巨人が遠征すると知れば、藤崎台球場に通った。現在はシーズン中でも東京ドームに足を運ぶ。昨年9月にはヤクルトに延長12回サヨナラ勝ちするなど、観戦時に高勝率を誇ることから“勝利の女神”を自認する。

 今季の巨人は開幕連勝スタートを切り、気分は最高だ。29日の開幕戦はテレビ観戦となったが、「今年は投手が良さそうなので、期待したい」とご満悦。ずっと追いかける坂本勇人内野手(35)はこの日、今季初本塁打。この“前祝い”を追い風にしたい。

 2、3週前はともに最終日最終組でプレーしたが、思うようにスコアを伸ばせず、2週連続で5位に終わった。「どういう状況でも、目の前の一打に集中することが大事」と“三度目の正直”へ表情を引き締めた。ツアー屈指の難コースを自慢の飛距離で攻略し、初Vで女子ゴルフ界に新風を吹き込む。(富張 萌黄)

 ◆竹田 麗央(たけだ・りお)2003年4月2日、熊本・合志市生まれ。20歳。6歳の時、母の影響でゴルフを始め、熊本国府高1年時の19年九州ジュニアで優勝。21年11月のプロテストに合格し、22年からツアー参戦。9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで2位。昨季はポイントランク22位で初のシードを獲得。1993、94年の賞金女王・平瀬真由美は叔母にあたる。166センチ。家族は両親と兄、弟。

 ◆2003年度生まれ「ダイヤモンド世代」 ツアーメンバーは11人。昨季、初優勝を含む4勝を挙げた桜井心那(ここな)を筆頭に、4人が優勝を遂げている。一番乗りは22年のメジャー、日本女子プロ選手権を制した川崎春花(計2勝)。尾関彩美悠(あみゆ)、神谷そら(計2勝)も優勝を手にした。世代通算9勝。

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