松山英樹「心は痛んでいる」11差68位出遅れ 全体76位の33パット グリーン直行40分修正


◆米男子プロゴルフツアー メジャー初戦 マスターズ 第1日(11日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7555ヤード、パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)12日=高木恵】悪天候で日没順延となった第1ラウンド(R)の残りと第2Rを行い、3年ぶり2度目の優勝を狙う松山英樹(32)=LEXUS=は初日1バーディー、5ボギーの4オーバー、76でトップと11打差の68位と出遅れた。苦戦の滑り出しを高木記者が「見た」。初出場の久常涼(21)=SBSホールディングス=は78で80位。ブライソン・デシャンボー(米国)が7アンダー、65で首位発進した。

 もどかしい展開が続いた一日を、象徴するような最後だった。強風が吹き付けた18番グリーン。松山は構えを3度仕切り直した末、1メートル強のパーパットを外した。「18番でボギーを打ってしまったので、心は痛んでいる。切り替えて、明日で終わらいないように頑張りたい」。13度目の出場で初日では自身2番目に悪い76をたたき、出遅れた。

 スタート前の練習場での松山は、非常にいい雰囲気をまとっていた。笑顔も見られ、ドライバーショットでは力がこもった球を連発した。2月のジェネシス招待で2年ぶりに優勝。今季9戦でトップ10入り3度と好調のまま乗り込んできた。「何も変わらず(試合に)入った」と平常心で向かったマスターズだったが、グリーン上で苦しんだ。

 3番は3メートルがカップ横を抜け、4番パー3では左からの風に乗せた第1打をピン右上1メートル強につけながら下りのラインを読み切れずにパー。「入れたいパットをことごとく外してしまった」。序盤のチャンスをものにできず、6番の3パットでボギーが先行すると、悪い流れを断ち切ることができなかった。

 練習日には例年以上に硬く仕上がっていたグリーンが、11日朝の雨で軟らかく変貌した。2度の3パット含むパット数「33」は、出場89人中76位と低迷した。秒単位で向きを変えた風速8メートル以上の強風にも苦戦し「セカンドショットがうまく対応できなかった。グリーンはラインの読みとスピードに対応できるようにしたい」と課題を挙げた。

 過去の優勝者の18ホール終了時での首位との最大差は7打。松山は同じ11打差発進だった17年は第2R終了時に6打差まで詰め、最終的に11位まで巻き返した。第1R後は練習場で1時間、修正に努めた。「自信を持って打てていないから入らない」と省みたパットに40分を費やし、ストロークをチェック。反撃への準備を入念に整えた。(高木 恵)

 ◆英樹に聞く

 ―今日の一日のプレーは。

 「残念ですね」

 ―11番ではアプローチで観客の拍手を引き出した。

 「11番はいいアプローチだったし、12番もよく(パーを)拾えたと思います」

 ―ピン右手前2メートルにつけてバーディーを奪った16番(パー3)のショットも素晴らしかったが。

 「別に良くはなかったです。たまたま風が来てくれたので助かりました」

 ―パットを打った後にラインを確認する場面も何度かあったが。

 「そんなにひどいパットはしていなかったけど、自信を持って打てていないから入らないんじゃないですかね」

 ―首位との差は11打と大きいが。

 「明日いいプレーをすることが大事だと思うので、それに向けて準備をしたいです」

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