【世界一の衝撃】2年連続日本ツアー年間女王の山下美夢有は「一緒に戦いたい、まずは私が頑張らないといけない」


山下美夢有

山下美夢有

◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 最終日(5日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 今季米女子ツアーでネリー・コルダ(25)=米国=が、ツアー最多に並ぶ出場5戦連続優勝中と歴史的快進撃を演じて、女子ゴルフ界の注目を一身に集めている。身長178センチでトップモデルのような容姿を持ち、異次元の強さを見せて、米女子ツアーの人気も再燃気配だ。2021年東京五輪金メダリストでもある世界ランク1位の衝撃的な強さの秘密を今大会に出場する、パリ五輪日本代表候補4人に聞いた。最終回は山下美夢有(みゆう、22)=加賀電子=。

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 日本ツアー通算11勝(国内メジャー3勝)の山下は、世界ランク1位の無敵の女王と真夏のパリでの対決を夢見ている。2022年から5大メジャーにスポット参戦してきたが、コルダと同組でのラウンドはまだないという。今季、米ツアー歴代最多に並ぶ出場5連勝を飾っているプレーの印象については「(身長が)大きいし、めっちゃ飛ぶし、パターもめっちゃ入っているなと思います。米国での反響? すごいと思いますね」と語った。

 山下は22年、23年とも抜群の安定感で5勝を挙げて日本ツアーの年間女王に輝いた。昨季はフェアウェーキープ率79・0841%、平均パット数1・7256、パーセーブ率90・0585%でいずれも日本ツアー1位だった。世界ランクは日本勢4番手の28位につけている。トップの畑岡奈紗は18位、2番手の古江彩佳は23位、笹生優花は25位。6月24日の世界ランクをもとにした五輪ランクでパリ五輪日本代表2枠が決まるが、同週までの試合で好成績をおさめれば十分、代表権をつかむチャンスが残る。

 日本ツアーを主戦場にする山下にとっては、世界ランクへの加算ポイントの高い今大会と5大メジャーの成績が肝要となる。コルダが5連勝を飾った4月の5大メジャー、シェブロン選手権は17位だった。5月30日開幕の全米女子オープン(ランカスターCC)、6月20日開幕の全米女子プロ選手権(サハリーCC)の出場権も既に手にしている。

 コルダは、パリ五輪でゴルフ競技では男女通じて初となる連覇がかかる。「(五輪で)一緒に戦いたいっていうのもあるので、まずは私が頑張らないといけない」と山下。日本の女王は代表争いのサバイバルレースを勝ち抜き、今夏のパリで世界一の選手とメダルを争う。

 ◆女子ゴルフのパリ五輪への道 6月24日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含めて最大2人が出られる。大会は8月7日から4日間、フランス「ル・ゴルフナショナル」で72ホールストロークプレーの個人戦で争う。21年東京五輪は畑岡奈紗と稲見萌寧が出場し、稲見が日本ゴルフ界初の表彰台となる銀メダル、畑岡は9位だった。

 ◆ネリー・コルダ 1998年7月28日、米フロリダ州生まれ。25歳。16年にプロ転向し、18年のスウィンギングスカート台湾選手権で米ツアー初優勝。21年全米女子プロ選手権などメジャー2勝を含む通算13勝。21年東京五輪は姉とともに米国代表で出場して金メダル。22年に鎖骨下静脈の血栓の手術をし、4か月間戦線離脱した。178センチ。家族は両親と姉。

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