「目標は世界ランク1位」勝みなみ、石川遼を超えた韓国15歳JKアマ 祖父の手ほどきで9歳からゴルフ


2番、ティーショットを放つ李暁松。国内ツアー最年少優勝を果たした(カメラ・今成 良輔)

2番、ティーショットを放つ李暁松。国内ツアー最年少優勝を果たした(カメラ・今成 良輔)

◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 最終日(5日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 アマチュアで2度目の出場となった李暁松(リ・ヒョソン、韓国)が10位から出て、1イーグル、5バーディー、2ボギーの最少67で回り、通算8アンダーで、15歳176日での国内男女ツアーを通じて歴史的最年少Vを達成した。最終日の7打差逆転はメジャー最大と記録ずくめの優勝となった。最終18番パー5で豪快なイーグルで締め、逆転劇を演じた。佐久間朱莉(21)=大東建託=が1打差2位。

 大会歴代2位の4日間で3万5380人もの観衆が集まった熱戦。15歳高校1年生のニューヒロイン誕生に誰もが度肝を抜かれた。アマチュアの李は18番、フェアウェーから「一か八か。イーグルもボギーもある」と3ウッドを振り抜き3メートルへ。イーグルパットを沈め、右拳を何度も揺らした。

 「スコア提出所で手が震え、涙が出そうになった。緊張が一気にこみ上げた」。最終組の3組前から8アンダー首位でホールアウト。約30分後、後続がスコアを伸ばせず優勝が決まり「今でも自分がしたことが信じられない。これほどの感動、緊張は初めて。日本が大好きなので、日本のメジャーで優勝できてうれしい」と手で口を覆い、驚きの表情を浮かべた。

 気温27度、4日間で最も風が吹いた最終日。7打差10位で出て「トップ10に入れれば」と気楽にプレーした。15番で2メートルのバーディーを決め、ボードを見ると「先頭と2、3打差。うまくいけば優勝できる」。16番は緊張でボギー。残り2ホールで3つ伸ばす圧巻の逆転だった。「予選落ちした昨年から、スイングが安定した」。最終日の7打差逆転はメジャー最大となった。

 15歳176日でのツアーVは男子の石川遼(07年、15歳245日)、女子の勝みなみ(14年、15歳293日)を抜き、国内男女ツアー最年少記録。9歳の頃、祖父に連れられ、ゴルフを始めた。平均飛距離250~260ヤードの力と得意のウェッジを武器に、昨年の韓国女子アマ選手権を制した。今回、国内女王・山下美夢有(みゆう)、韓国女王・李叡源(イ・イェウォン)、元世界ランク1位の申ジエ(韓国)ら強豪相手にも臆せず、一気に頂点をつかんだ。

 将来について、李は「(韓国では)3年後にプロになれる年(18歳)に到達する。その時、日本ツアーで活躍できるようになっていたい。目標は世界で活躍し、世界ランク1位になること」と語った。一躍有名になった15歳は優勝トロフィーを手に、あどけない表情を浮かべ白い歯を見せた。目の前には無限の可能性が広がっている。

(岩原 正幸)

 ◆主なツアー最年少V記録

 【男子】

 ▽米国 チャールズ・コクシスの18歳6か月9日(1931年ミシガンオープン)

 ▽欧州 マテオ・マナセロ(イタリア)の17歳188日(10年カスティーヨ・マスターズ)

 【女子】

 ▽米国 リディア・コ(ニュージーランド、写真はゲッティ・共同)の15歳4か月2日(12年カナダ女子オープン)

 ▽欧州 アタヤ・ティティクル(タイ)の14歳4か月19日(17年欧州女子タイ選手権)

 ◆最終戦翌日まで申請でプロに 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の規定では、アマがツアー優勝した場合、今季最終戦の翌日(ツアー選手権リコー杯後の11月25日)までに申請すれば、JLPGAの入会手続きを経てプロになることができる。李が韓国のルールで18歳までプロ入りを待ち、高校卒業後に日本ツアーに参戦する場合は、現行では日本のプロテストを受けて合格しなければならない。

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