8月3日は「うちらの日」池村寛世、キャディーで妻の琴音さんとつかんだ結婚後初V


18番ティーショットを放つ池村寛世(カメラ・今西 淳)

18番ティーショットを放つ池村寛世(カメラ・今西 淳)

◆男子プロゴルフツアー リシャール・ミル・チャリティー 最終日(3日、石川・能登CC=7142ヤード、パー72)

 3打差3位から出た池村寛世(ともよ、29)=フリー=が1イーグル、6バーディー、ボギーなしの64をマークし、通算24アンダーで逆転。2022年ASO飯塚チャレンジド以来となる3年ぶり3勝目を飾った。昨年5月にキャディーの琴音さん(29)と6年の交際を経て婚姻届を提出。結婚後初勝利を挙げた。ガッツポーズを封印し、平常心をテーマに戦う今季の目標に賞金王獲得を掲げた。

 2人で演じ上げた逆転劇だった。池村は、キャディーで妻の琴音さんと抱き合い喜びを分かち合った。「ビッグスコアが出るコースなのでチャンスはあると思っていた。運も味方してくれた」。終盤の6ホールでスコアを5つ伸ばす大まくりで夫婦初優勝。14番パー5で残り258ヤードから7ウッドで2オンに成功し、12メートルを沈めるイーグルでトップに躍り出ると、15番ではチップイン、16番は7メートルをねじ込み後続を突き放した。

 今季封印を決めているガッツポーズを、なんとかこらえた。きっかけは2月末だった。2022年賞金王で同学年の比嘉一貴(30)の一言が刺さった。「1年間で300個ぐらいバーディーが来る中のたった1個。ダブルボギーも年間10個来るうちの1個がたまたま今日来たと思うだけ」。気持ちの浮き沈みが減り、平常心を保てるようになった。

 ネガティブな池村とポジティブな琴音さんとの相性も抜群だ。「力強い味方がずっといる。複数回優勝と賞金王を目指して、2人で頑張っていきたい」。8月生まれの池村と3月生まれの琴音さんは「83」という数字を大事にしている。プレーを終えて「うちらの日じゃん」と笑い合った、8月3日は、2人にとって生涯の記念日になった。(高木 恵)

 〇…今大会は能登半島地震の復興支援を目的とした新規大会で、復興支援として、選手会から賞金総額1億円の5%に当たる500万円が石川県に寄付された。大会主催者からは、コース内での募金など計約1305万円が県などに贈られた。優勝賞金2000万円は100万円を寄付するため、通算獲得額には1900万円が加算される。

 ◆池村 寛世(いけむら・ともよ)1995年8月30日、鹿児島・志布志市生まれ。29歳。10歳でゴルフを始め、尚志館高1年時に国体少年男子個人戦で優勝。2年時に半年間、オーストラリアにゴルフ留学。帰国後に高校を中退し、2013年にプロ転向。21年ISPSハンダ・ガツーンと飛ばせでツアー初優勝。今季の賞金ランクは10位に浮上し、トップの生源寺龍憲とは約3000万円差。焼酎「魔王」の原料となるサツマイモ農家の長男。166センチ、72キロ。

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