遼「5打差だったらまだ分からない」自身初の2週連続優勝へ最終日の逆転劇に挑む


6番でバーディーを決めた石川。通算3アンダー5位タイと一歩後退も2週連続優勝を狙う

 ◆男子プロゴルフツアー フジサンケイ・クラシック第3日(3日、山梨・富士桜CC、7524ヤード=パー71)

 首位と3打差の3位から出た石川遼(24)=カシオ=は5バーディー、6ボギーの72で回り、首位と5打差の通算3アンダーで5位に後退。自身初の2週連続優勝をかけ、2014年7月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ以来5度目の最終日での逆転劇に挑む。2位で出た韓国の趙ミン珪(28)=フリー=が、8アンダーの単独首位でツアー2勝目に王手。片岡大育(27)=Kochi黒潮CC=が5アンダーに伸ばし、日本勢最高の3位につけた。

 石川は諦めてはいない。「5打差だったらまだ分からない」。10年の中日クラウンズでは最終日に58をマークし、6打差の18位から大逆転している。最終日は最終組の1つ前で、昨年大会王者の韓国の金庚泰(30)=新韓銀行=らと回る。「庚泰と自分が前の組から追い上げたい。楽しみだし、ワクワクする」と逆転劇へのシナリオを描いた。

 ただ、心技体いずれも本調子ではない。「上がりの3ホールは体力も精神力ももたなかった。頭も回らなくなった」とため息をついた。予選ラウンド2日間ともバーディーだった17番では、ティーショットを大きく右に曲げてOB。「最初は2オンを諦めて左の広いサイドに低い球で打とうと思ったけど、欲をかいてティーを高くして狙ってしまった。体がついてこなかった」。続く18番も第1打を右バンカーに入れてボギー。重い足取りで、18番グリーンを後にした。

 ドライバーの不調が顕著だ。フェアウェーキープ率は、23・08%と低迷。決勝ラウンド進出選手中最下位の68位で、今大会初日の69・23%の3分の1にとどまった。「クラブを重く感じてしまい、(グリップを)強く握ってしまう。シャフトのしなりも使えないし、体も回っていない」。原因が分かるだけに、もどかしい。

 それでも、6番と14番でチップインバーディーを決めるなど小技がさえ、優勝への望みはつないだ。「前半を終えて3打差まで詰められれば分からない。早めに下から追い上げたい」と前半でのチャージを逆転へのポイントに挙げた。

 決勝ラウンドから、新妻も応援に駆けつけている。ホールアウト後、すぐに練習場で約1時間半の調整。他の選手がいなくなった後も、スイングとパッティングの修正に励んだ。最後の最後まで逆転Vに食らいつく。(勝田 成紀)

 ◆フジサンケイ・クラシックでの逆転V 富士桜CCでの開催となった05年以降では、3度の逆転優勝がある。12年大会の金庚泰の3打差逆転が最大で、08年大会に藤島豊和が1打差、14年大会に岩田寛が2打差を逆転した。データが残る85年以降は、静岡・川奈GC富士Cで行われた90年大会で、尾崎将司が8打差を逆転して優勝している。

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