鈴木愛…5差逆転!メジャー最大6人め


18番で優勝を決定付けるバーディーパットを沈めガッツポーズする鈴木愛

18番で優勝を決定付けるバーディーパットを沈めガッツポーズする鈴木愛

 女子プロゴルフツアー国内メジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 最終日 11日 北海道登別CC

5打差10位から出た鈴木愛(22)=セールスフォース=が最終日のベストスコアに並ぶ69をマーク。1988年のツアー制度施行後では最大タイとなる5打差を逆転し2年ぶりの大会2勝目。メジャーでの日本勢の連敗を7で止め、ツアー通算3勝目を飾った。リオデジャネイロ五輪日本代表の大山志保(39)=大和ハウス工業=と、下川めぐみ(33)=環境ステーション=が1打差2位に入った。

 たまった鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、鈴木は何度も右手を突き上げた。最終18番。約3メートルを決めてバーディー締め。メジャーではツアー最大タイとなる5打差を逆転して大会2勝目をもぎ取ると「優勝を意識せず、淡々とできたのが良かった」と充実感を漂わせた。

 2週連続の屈辱を晴らした。前々週のニトリレディス(4位)、前週のゴルフ5レディス(6位)ではともに最終日を首位で迎えながらV逸。特に前週は表彰式後に居残って約80分、パターを転がした。悔しさを練習にぶつけ「練習の成果は裏切らない」。晴れ晴れとした表情で言い切った。

 自らが制した14年大会以降、メジャーは外国人選手が7連勝中。実は前週、14年大会でキャディーを務めた高見明弥さんから「おまえが止めてくれ」とゲキを飛ばされた。現在、高見さんは用具メーカーに勤務しており、会うのは数か月ぶり。かつての“相棒”からのエールに「頑張ります」。短い言葉を発する前から、覚悟は決まっていた。

 周囲の心配も吹き飛ばした。7月の全英リコー女子オープン(65位)から帰国後、夏バテもあって数キロほど体重が落ちた。「今週も体のあちこちが痛いと言っていた。相当、疲れもあったと思う」と母・美江さん(45)は明かした。疲労がピークに達した中でも居残り練習は欠かさなかった。「本当は練習は嫌い。朝も苦手なんですけどね」。ただ、勝ちたかったからクラブを握った。

 22歳125日でのメジャー2勝目は韓国の田仁智(21歳55日)、宮里藍(21歳83日)に次ぐ3番目の年少記録。その目は同名の藍と同様、米ツアー挑戦を見据える。「もし(日米共催の)TOTOジャパンクラシックで優勝したら、来年から米ツアーに行きたい」。外国人のメジャーでの連勝を7で止めた22歳が、米国で“外国人”として暴れまくる日も遠くはない。(高橋 宏磁)

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