◆男子プロゴルフツアー ブリヂストンオープン第1日(20日、千葉・袖ヶ浦CC袖ヶ浦C=7119ヤード、パー71)
賞金ランク2位の谷原秀人(37)=国際スポーツ振興協会=が1イーグル、7バーディーの9アンダー62の猛チャージ。記録の残る1985年以降では、大会最少ストロークに並ぶ好スコアで今季2度目の首位発進を決めた。2打差2位に文景俊(34)=韓国=ら2選手。アマの比嘉一貴(21)=東北福祉大3年=が3打差4位の好位置につけた。
ボールが意志を持ったようにカップに飛び込んだ。4番パー4、ピンまで残り137ヤード。谷原がウェッジで放った第2打は、ピンの根元に当たってカップインイーグルだ。「いいショットでしたね。(入るときの)音が聞こえた」と満面の笑みで振り返った。
新兵器が62の猛チャージにつながった。前日(19日)から、用具契約を結ぶホンマの開発した新アイアン「ツアーワールド737Vs」を投入した。この日、パーオン失敗は3ホールだけとショットが好調。「前のモデルより1番手くらい距離も出るし、弾道も高くなった」とニンマリ。同社担当者によると、新製法で作られた軽くて硬いフェースが、飛距離アップと高弾道を実現したという。
苦い経験も生かした。今年は全米オープン、全英オープン、全米プロと、初めて同一年に海外メジャー3大会に出場した。しかし硬いグリーンに苦しめられ、全米プロの33位が最高だった。「(海外選手は)みんな弾道が高い。硬いグリーンでも止められるように打っている」。日本で今季2勝に貢献したアイアンに未練はなく替えた。
世界ランク71位。年末か来年3月末の時点で同50位以内なら、来年4月のマスターズ出場権を手にする。国内の賞金王レースは2位につけるが、目標はマスターズ切符。世界ランク浮上を狙って、来週は世界選手権シリーズのHSBCチャンピオンズ(上海)に参戦する。「年末までに3勝ぐらいしないと(50位以内に)届かない感じ。気合を入れていく」と闘志を燃やした。「―ワールド」と名のついた新アイアンと、世界へ打って出る。(高橋 宏磁)