経営者・片山晋呉、マイナビで「バイト募集中」…1打差の2位をキープ


 ◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権第2日(28日、兵庫・ABCGC、7217ヤード=パー72)

 ツアー通算29勝の片山晋呉(43)=イーグルポイントGC=が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算9アンダーで首位と1打差の2位をキープした。自身が経営し、31日にオープンする飲食店の従業員を集めるため、今大会を主催するマイナビの求人サイトを利用しながら2015年11月以来の優勝を目指す。

 韓国の趙炳旻(チョ・ビョンミン、27)=フリー=が67で回り、10アンダーで単独首位。

 大雨に見舞われたラウンド後、片山の表情が経営者の顔に変わった。「人が集まらないんだよ」。国産の黒毛和牛と生本マグロをウリにした高級和食店「尾崎幸隆」の2号店を、31日に東京・銀座でオープンさせる予定。従業員を募集し、自ら面接に携わったが「いい人がいなかった。もうマイナビしかないな」と27日の大安に合わせて求人サイトで募集を開始した。

 くしくも今大会を主催する大手企業。スマホを片手に「マイナビさんにお世話になっちゃってるよ」と得意げに笑ったが、これから人選を行うため、オープンには間に合わない。人手不足の店内は開店前の準備で大忙しで「試合に出ないで手伝ってください」と店側に要望された。「日曜(30日)も帰ってバイトしなくちゃいけない」。生涯獲得賞金20億円以上の永久シード保持者が、なりふりかまわず雑用も請け負うつもりだ。

 今大会で優勝し、節目の30勝と有望な人材獲得をもくろむ。初日は2位発進ながら内容が不満で首をひねっていたが、この日はショットが復調して9アンダー。1打差の2位をキープした。「(サイトを利用していることを)マイナビさんに言っておかないとね。銀座7丁目だよ!」。報道陣にもバッチリと宣伝した“選手兼オーナー”の目には、「商売繁盛」の4文字が映っていた。(浜田 洋平)

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