藤田光里、けがの功名!自己タイ67、賞金シード崖っぷちも


 ◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス第1日(17日、愛媛・エリエールGC=6474ヤード、パー72)

 賞金シード崖っぷちの道産子美女が、けがの功名で好発進を決めた! 賞金ランク49位の藤田光里(22)=レオパレスリゾートグアム=が5バーディー、ボギーなしの5アンダー、67をマーク。左肘痛を抱えながら初日では、ツアー自己最高タイとなる好スコア。3年連続の賞金シード死守へ首位と4打差の5位と好スタートを切った。ツアー通算2勝の原江里菜(29)=NEC=が大会コースレコードを1打更新する9アンダー、63で回って単独首位発進した。

 手負いのモデル系美女が根性を見せた。藤田は左肘と左手首にテーピングをし、肘には湿布も貼ってプレー。けがの巧名か、左肘のしびれで重圧や力みが消えた。「左に引っ張ることができないのでティーショットは右、右へ出た。だから左側から狙うようにした。できることしかできない。無理な攻め方をしなかったのが良かったのかも」と、ボギーなしの5位発進を笑顔で振り返った。

 今季はパットに悩んで33戦未勝利でトップ10が3度、予選落ちが14度。賞金ランク51位とは約34万円差の49位と苦戦中だ。夏場から左肘にしびれが出始め、15日朝に激痛が走った。「化粧品を出したり、髪を洗うのも右手」。次週の最終戦は優勝者と賞金ランク上位者しか出られない。賞金シードが決する今大会不出場も覚悟し、涙に暮れたという。

 16日のプロアマ戦はスタートの7番で第1打を放った後、左肘痛に耐えきれずに棄権。その後、ホテルで医師に「肘部管症候群」と診断された。超音波治療器を貸与され、同夜は左肘に装着したまま眠り、何とか出場にこぎつけた。

 このコースでの大会は初出場だ。プロアマ戦を棄権したため、1番からの9ホールはぶっつけ本番で回った。それでも「逆に怖いところも知らずに、メモを見て淡々とプレーができた」と冷静に1番は2メートル、6番は3メートル、9番は4メートルにつけて3つスコアを伸ばした。

 同じプロの世界に身を置く同級生に刺激された。オフで地元へ帰省した今月3日、サッカーJ2札幌戦を観戦した。小、中学校の同級生のMF神田夢実(22)と試合後、食事をともにし「プロ選手として広い世界を考えていた。自分も負けられない」。今大会最終日となる20日、札幌もJ1昇格をかけた最終節を迎える。「一緒に笑いたい」と藤田。残り3日間に向けて第1R後、練習はせず、左肘をアイシングしながら会場を後にした。(榎本 友一)

最新のカテゴリー記事