【金谷多一郎のゴルフ進化系アドバイス】<5>グリップエンドを真下に下ろす


 スイングの弧が大きくなれば大きな遠心力が生まれてスイングスピードが上がると思うのか、クラブヘッドを大きく振る人が多い。実はトップから、ヘッドを遠くへ大きく振るより、グリップエンドを真下に下ろすようにした方がいい。

グリップエンドは左太ももを突き刺す、またはズボンの右のポケットに入れるように下ろす

グリップエンドは左太ももを突き刺す、またはズボンの右のポケットに入れるように下ろす


 グリップエンドをボールに向けるように下ろすのではなく、左太ももを突き刺す、または、ズボンの右のポケットに入れるように下ろしていくのだ。さらに言えば、ダウンスイングでは体が左方向に回転していくのだから、背中方向、尾骨に向かって下ろしていくイメージでもいい。「モダン・ゴルフ」の著者で史上最高のプレーヤーと言われるベン・ホーガンは、常にズボンの右太もも部分がほつれていたそうだ。


 グリップを下に振るのは、両グリップが体から離れないようにするため。グリップは縦に下ろすものであり、横に振ってしまうと、アドレス時のグリップの位置より体から遠くに離れてしまう。ということは、バックスイングとダウンスイングのスイング軌道が異なってしまい、スイートスポットでボールをヒットできなくなる。


 体の回転運動による遠心力は、クラブを外へ外へと引っ張っていく。しかし、その力を体に引き付けることで、力はヘッドスピードに変換されていく。


 <金谷多一郎>(かなたに・たいちろう)1960年1月2日、東京都生まれ。57歳。8歳でゴルフを始め、日大ゴルフ部では主将。84年のプロテスト合格。87年の伊香保国際オープンでプロ初優勝。現在はレッスンやトーナメント解説などテレビ、雑誌などで幅広く活躍している。夫人は女子プロの(旧姓・藤田)智美。165センチ、64キロ。