【オーガスタ(米ジョージア州)3日=榎本友一】米男子プロゴルフツアーの今季メジャー初戦、マスターズ(6~9日・米ジョージア州オーガスタナショナルGC)を放送するTBSが「見逃し配信」することが3日、分かった。地上波で生放送した映像をスマートフォンやインターネットなどで無料配信するもので、国内スポーツ番組では史上初。13時間の時差を気にせず、日本男子初の海外メジャー制覇へ挑む世界ランク4位・松山英樹(25)=LEXUS=らの活躍を味わうことができる。
もう、松山の快進撃を見逃すことはない。日本とオーガスタナショナルGCは時差13時間。例年、深夜から早朝に行われる熱戦を、会社員や学生が生放送で見るのは厳しかった。だが、今年は違う。TBSが今大会7日の第1ラウンド(R)放送後、地上波生放送の映像を順次配信することを決めた。
いわゆる「見逃し配信」で、これまでドラマやバラエティー番組を中心に行ってきたがスポーツ番組で初導入。「ゴルフ界を盛り上げるためにも、マスターズでテストしてみようと。スマホを愛用する若者などにもゴルフに関心を持っていただくためにも、いろんな方向からアプローチを掛けることに致しました」。今大会で20度目のマスターズ中継に携わる岡田浩一プロデューサー(51)は言う。
配信は無料。地上波放送終了後にスマホやパソコンなどでアクセスすれば、好きな時間に視聴できる。昼休みなど都合のいい時間に、臨場感たっぷりの生放送を何度も手軽に見られるだけでなく、今大会に出場する松山、谷原、池田の日本勢の活躍シーンやベストショット集など、3分程度のダイジェスト映像も毎日10本程度配信予定。また、映像は大会1週間後の16日まで視聴可能だ。
背景には“日本の怪物”への期待の沸騰がある。4年連続6度目の出場の松山は昨秋以降日米ツアーで4勝を挙げ、世界ランクは日本男子最高の4位に浮上。マスターズは過去2年は5位、7位とコースとの相性も良い。断続的な雷雨に見舞われた3日、会場には姿を見せなかったが、今大会でのメジャー初Vへの期待感は史上最大級だ。岡田プロデューサーも「松山プロの日本男子初の歴史的瞬間は、絶対に見逃してほしくない」と万全を尽くして感動を届ける覚悟だ。
◆見逃し配信 テレビ番組の放送直後に、インターネット上でその番組をオンデマンド配信すること。番組放送時に視聴できなかった人たちの関心を集めることや、違法動画対策などが目的。ドラマやバラエティー番組などで最近、注目を集めている。今大会の映像は配信プラットフォーム「TBS FREE」(http://www.tbs.co.jp/muryou-douga/)と「TVer」(http://tver.jp/)で第1Rは7日午前9時20分以降、第2Rは8日午前11時以降、第3Rは9日午後12時30分以降、最終Rは10日午前9時30分以降に配信される予定。