◆女子プロゴルフツアー 報知新聞社共催 スタジオアリス女子オープン第2日(8日、兵庫・花屋敷GCよかわC、6293ヤード=パー72)
37位で出た原江里菜(29)=NEC=が1イーグル、8バーディー、2ボギーのベストスコア64で回り、首位と4打差の通算7アンダーで2位に急浮上。今季はオフに取り組んだスイング改造で結果が出ず、深酒したこともあったが、フォームを修正して6連続バーディーなど大爆発。15年8月以来のツアー通算3勝目で勝利の美酒を味わう。韓国の申ジエ(28)=スリーボンド=が11アンダーで単独首位。
バーディーラッシュに原の笑いが止まらなかった。4番で残り105ヤードの第2打をピン奥1メートルにつけて伸ばし、スイッチオン。5番も1メートルにつけると、9番まで6連続バーディーと猛烈な勢いで上位に駆け上がった。17番では残り155ヤードからの第2打を入れ、イーグル奪取。「本当に楽しかった~! すごく気持ちのいいラウンドだった」。64の7アンダーで37位から2位に浮上。会心のスコアにご満悦だ。
悩み抜いた末の好ショットだった。スイングの再現性を高めるため、2月からテンポの速いスイングに改造。しかし、開幕から3戦連続で予選落ちすると、続く2試合も46、40位と出遅れた。「せっかくやってきたことをやめるのは悔しいけど、結果が出ないほうが嫌」。思い切って去年までのような緩いテンポに修正。オフの努力が水の泡になるかと思ったが「速いスイングで体が開かないように意識していたので、ゆっくりにしても開かなくなった」と思わぬ成長につながった。
つらい日々は大好きなお酒に救われた。大会中は一滴も飲まないほど体に気を使うが「すごい増えた」と前週の最終日夜から3日連続でゴルフ関係者と深酒に走った。ワインや焼酎をひと口、ふた口…。イライラを吹き飛ばそうと、酒のテンポも速くなった。多少の二日酔いにはなったが「体力あるな、私。大丈夫」と気分転換となって、持ち前のプラス思考も復活。体への影響もなく、好スコアをマークし「今週はおいしく飲める? そうなりたいから頑張った」と冗談を飛ばす余裕も生まれた。
15年8月以来の通算3勝目へ、首位と4打差。「ここ何試合かで一番いい最終日にしたい」。気さくな性格でファンに人気の29歳。勝利の美酒に酔う笑顔の江里菜を届ける。(浜田 洋平)