◆男子プロゴルフツアー 東建ホームメイトカップ第3日(15日、三重・東建多度CC名古屋)
3位から出た藤田寛之(47)=葛城GC=が5バーディー、1ボギーの67で回り、通算11アンダーで首位と2打差の2位に浮上。通算5勝の芹澤信雄に師事するベテランは、女子で2位につける西山ゆかりとともに「チーム芹澤」初のアベックVでの通算19勝目を目指す。梁津萬(中国)が13アンダーで首位。
弱気な発言とは裏腹に“中年の星”藤田が果敢にスコアを伸ばした。3番で12メートルを沈め、4、5番と3連続バーディー。終盤にも2つ伸ばし、67で首位と2打差。14年9月のアジアパシフィック・ダイヤモンドカップ以来、3季ぶりのVを射程にとらえた。
フェアウェーキープ率50%(40位)、パーオン率66・67%(35位)とショットに関しては「今大会に出てる130人くらいで半分以下」と自虐的なコメント。それでも「自分らしいと言えば自分らしい。パーを拾いながら少ない好機をものにしてる」とショートゲームで持ち前の粘りを発揮した。
12年に賞金王に輝き、14年にも3勝を挙げ賞金ランク2位。だが、最近2年は未勝利で賞金ランクも31位、29位と低迷した。4年前にフル参戦した海外メジャーも、この3年間で出場は15年の2度だけ(結果は6度すべて予選落ち)。「(近年)海外でやりたい気持ちがなくなってから、もういいんじゃないかと思う自分がいる」と正直に明かした。かつて1日800球ショット練習をしていた“練習の虫”は「300球で十分。気力もそこまで」と話す。
だが今季は「今までパターマットくらいしかやらなかった」というショートゲームを強化して臨んだ。3月には静岡・袋井市内で連日夕方から1時間、徹底的に練習を続けた。「チーム芹澤」の弟弟子・宮本勝昌は「負けず嫌いでストイック。もうひとヤマという気持ちなのでは」と気持ちを代弁した。
自らも2度出場し、今月行われたメジャー初戦のマスターズも欠かさずチェックした。過去18勝中9勝が最終日の逆転劇。「優勝? そんなおこがましいことは。(でも)最終目標はそこ」。47歳の闘志は、まだ衰えていない。(岩原 正幸)
◆チーム芹澤 1996年の日本マッチプレー選手権など通算5勝の芹澤信雄(57)=TSIグルーヴアンドスポーツ=の門下生。藤田が一番弟子で、男子は通算10勝の宮本勝昌(44)=ハートンホテル=、上井邦裕(34)=三好CC=ら、女子は通算1勝で昨季賞金ランク19位の木戸愛(27)=ゼンリン=らがいる。15年2月には神奈川・大箱根CC内にアカデミーを設立した。