トンプソン連覇へ1打差2位!すし&天ぷらの勝負メシ効果で猛チャージ


17番、第3打のアプローチショットを放つレキシー・トンプソン(カメラ・相川 和寛)

 ◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアーメジャー第1戦ワールドレディス サロンパスカップ第3日(6日、茨城・茨城GC西C=6670ヤード、パー72)

 世界ランク5位で昨年覇者レキシー・トンプソン(22)=米国=が5バーディー、1ボギー、ベストスコアの68で、9位から首位と1打差2位に浮上。前年の優勝以来、1年間勝利から遠ざかる飛ばし屋は大会中に異例のパター変更や、時差ぼけの中でも“勝負めし”のすしでゲンを担ぐなど、08年メジャー昇格後、大会史上2人目となる連覇の偉業達成に執念を見せた。

 本命がグイグイと追い上げてきた。米ツアー通算7勝のトンプソンは5番第2打を隣の3番グリーン横のバンカーに、12番も第2打を池に入れるハプニングにも、いずれも見事なリカバリーでパーセーブ。風が強くなった終盤の16、17番にも、2メートル以内の好機でバーディーを奪い、ベストスコアの68。「2日目ほどショットは良くなかったが、パットが良かった」。1打差2位と、逆転Vへこれ以上にない位置につけた。

 メジャー昇格後、大会連覇したのは11、12年のアン・ソンジュ(韓国)だけ。史上2人目の偉業へ、勝利への意欲を燃やす。前年優勝時に使用したヘッドが大きなパターを初日で諦め、ここ半年間使う従来サイズのものに戻し、30位発進から復調。飛ばし屋の一方で繊細な部分でもぬかりない修正力をみせた。

 約1か月前の今季米メジャー初戦ANAインスピレーション。視聴者からの指摘でまさかの4罰打を科され、プレーオフで敗戦する悪夢を味わった。米では昨年2月以来のVが幻に。今大会前は「乗り越えないといけない」と気丈にコメントするなど大きなショックを受けた。

 心に傷を受けた娘を、米フロリダ州にいる父のスコットさん(54)は、関係者から携帯メールで送られる一打ごとの速報を見て現地時間の午前3時まで眠らず応援。何としても吉報を届けるため、前日の5日夜は昨年V時に食べたすし、天ぷらの“勝負めし”でパワーをチャージ。開幕2日前の来日で、まだ朝早く目が覚めるなど時差ぼけが残るというが、勝利への執念をみせる。

 1打差で追うのは韓国のハヌル。「ANA―」で敗れた相手が同じ韓国の柳簫然だったのも何かの因縁か。22歳は「明日も積極的なプレーをして勝ちたい」と自身初の連覇で1年ぶり優勝をつかむ。(岩原 正幸)

 ◆トンプソンの4罰打 海外メジャー初戦ANAインスピレーション最終日(4月2日)、前日のプレー映像を見た視聴者から「トンプソンが17番グリーンでマークした場所とは異なる所からプレーを再開した」と指摘があり、誤所からのプレー(2罰打)とスコア誤記(同)で合計4罰打が科された。罰打が影響してプレーオフで敗退。メジャー14勝のタイガー・ウッズ(米国)が「視聴者は審判になるべきではない」と苦言を呈するなど反響が大きかったことから、ルールを統括するR&Aと米国ゴルフ協会は規則を変更。今後は視聴者などからの指摘で罰打が科されることはなくなった。

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