鈴木愛、母の応援を力に今季初V「今までで一番いい母の日になった」


18番、ウィニングパットを沈めガッツポーズする鈴木愛(カメラ・谷口 健二)

18番、ウィニングパットを沈めガッツポーズする鈴木愛(カメラ・谷口 健二)

 ◆女子プロゴルフツアー ほけんの窓口レディース最終日(14日、福岡・福岡CC和白C=6308ヤード、パー72)

 首位で出た鈴木愛(23)=セールスフォース=が4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの72で回り、通算7アンダーで今季初優勝。ラウンド中に香川から急きょ駆けつけた母・美江さん(46)へ、母の日に贈る昨年9月以来のツアー通算4勝目。賞金ランクは日本人トップの2位に浮上し、ツアー屈指の実力者が夏場の海外メジャー2試合へ“日本代表”として臨む。

 母・美江さんへの最高のプレゼントだ。今季5位以内が3度の鈴木は、約8か月ぶりの通算4勝目を母の日に達成。「今までで一番いい母の日になった。何か欲しいものを買ってあげたい」。3打差の首位で出た最終日に盤石の強さを見せ、幸せそうに目尻を下げた。

 急きょ駆けつけた母の応援に奮起した。普段は遠征に帯同するが、妹・花奈さん(21)が12日までプロテストだったため、今週末は香川にある母の実家で休養。しかし、優勝争いをする次女のために、やっぱり福岡へ向かった。新幹線で握り締めたスマホでネット速報を見ると、7、8番で連続ボギー。気の休まらない母が11番に到着すると、鈴木は12、14、16番のバーディーで2位と4打差に広げた。美江さんは「17番のOBでハラハラしたけど、来てよかったです」と大喜びだ。

 普段は車の運転や飛行機の手配など、身の回りの世話は母が行う。以前は市販のおにぎりをラウンド中に食べていたが、最近は母が遠征に炊飯器を持ち込み、ハーフターンで受け取るのは栄養満点の具材やフルーツになった。「歯にくっつくので、のりは巻かない。テレビに映るし」(美江さん)。もちろん、いつもどんなに遅くとも練習を見守る。今週、両膝の痛みで満足に調整できなかった娘に「足、大丈夫?」。14番でかけてくれた言葉が力になった。

 賞金ランクは日本人トップの2位。6月25日時点で同5位以内なら、8月の全英リコー女子オープンに出場できる。「そこまでに1勝したい。必ず出られるように頑張りたい」。昨季同5位の権利で7月の全米女子オープンも出場予定だ。ヤーデージブックのカバーに日の丸を入れる23歳は、世界での戦いも視界に入れている。(浜田 洋平)

最新のカテゴリー記事