16歳・小村優太、アダム・スコットの金言胸に決勝R目指す…6日からセガサミーカップ


練習でドライバーの感覚を確かめる札幌龍谷高・小村

 男子プロゴルフツアーの「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」(報知新聞社など後援)がきょう6日から4日間、北海道千歳市のザ・ノースカントリーGCで開催される。同大会のアマチュア選考会で優勝した小村優太(16)=札幌龍谷高2年=が今大会最年少で出場する。2013年マスターズ優勝のアダム・スコット(36)=オーストラリア=から昨秋に受けた『金言』を胸に、決勝ラウンド進出を目指す。

 16歳とは思えないほど、落ち着き払っていた。予選ラウンドを翌日に控えた最終調整。今大会最年少の小村は、はっきりとした口調で決意を語った。「今の自分ができることを思い切りできたらいいな。4日間、プレーがしたいです」。予選60位以内が進む、決勝ラウンド進出を見据えていた。

 予選会を突破し、初めてプロトーナメントに出場したのが中学2年の2014年札幌オープン(北海道ブルックスCC)。翌年も同オープンに参加したが、この時は宮本勝昌(44)=ハートンホテル=、宮里聖志(40)=フリー=らベテランとプレー。「緊張しすぎて覚えていない。スタート前から顔は真っ白だった」と、小村は力を発揮できず予選落ちした。

 だが、あの日の姿はもう、ない。トップゴルファーの一言が、小村の胸に突き刺さった。昨年10月、日本オープンに出場したアダム・スコットがジュニア選手対象のセミナーで講演。小村は北海道代表として受講した。「プレーがうまくいかない時でも態度に出してはいけない。常に冷静でいることが大切」―。4年前のマスターズを、オーストラリア人として初めて制したスコットの言葉は「自分に当てはまっていた。うまくいかないと、すぐに態度に出ていた」(小村)。

 “金言”を胸に臨んだ講習会翌月の、今大会の選考会となった全国大会。小村は2アンダーの70で初優勝を飾った。後半にドライバーがスライスする事態に陥っても、いら立ちを覚えることなく、落ち着いてプレー。3バーディー、1ボギーと安定した立ち回りを見せた。

 小学4年の頃、父・一隆さん(47)に練習場に連れて行ってもらい、初めてクラブを握った。中3の時に北海道ジュニアゴルフ選手権で優勝するなど成長し続ける息子に、一隆さんも「周りの方々のおかげで、多くの経験ができている。まずは予選を通過してほしい」と期待を込めた。

 「状態は悪くない。自分に気負いせず、地に足がついたプレーがしたい」と小村。何もできなかった、あの日から2年。今回が初挑戦となるレギュラーツアーで、2001年生まれの“21世紀少年”が、成長した姿を見せつける。(清藤 駿太)

 ◆小村 優太(こむら・ゆうた)2001年3月8日、札幌市生まれ。16歳。札幌平岸小4年時に競技を初め、札幌中の島中3年で北海道ジュニアゴルフ選手権優勝。札幌龍谷高では1年時に北海道高校ゴルフ選手権初優勝を飾った。178センチ、76キロ。右利き。ドライバー平均飛距離は300ヤード。家族は両親、弟。

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