“逆輸入ゴルファー”杉本エリック、日本ツアー初出場で2打差好発進


1番、ティーショットに臨む杉本エリック

1番、ティーショットに臨む杉本エリック

 ◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ第1日(6日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)

 異色の経歴を持つ“逆輸入ゴルファー”が、夏晴れの北の大地を盛り上げた。PGAラテンアメリカツアーに主戦場を置く杉本エリック(23)がマンデー予選会を突破し、日本ツアー初出場。7バーディー、1ボギーの66をマークして首位と2打差の4位と好スタートを切った。

 560ヤードの最終18番パー5。ピン左4メートルのバーディーパットをねじ込むと、右拳を2度突き出してガッツポーズ。「満足です。メンタル面でも落ち着いてプレーできた。日本ツアーはPGAツアーのようですね。プロフェッショナルな舞台です」と、きれいに整備されたコースやマナーのいいギャラリーに感動した様子だった。

 父・真雄さん(50)、母・里江さん(51)は専大ゴルフ部出身。千葉・習志野市で生まれた杉本は1歳で米国に移住。「完全にアメリカ人です。難しい日本語はわからないです」と報道陣への取材対応は時折、英語の通訳を介した。「拓也」という日本名も持つが、アメリカンネームがあった方が覚えてもらえると「エリック」に改名した。

 サンディエゴの自宅に拠点を構える。「タイガー・ウッズに憧れて」5歳でゴルフを始め、南カリフォルニア大経済学部卒。170センチ、63キロと小柄。多彩なショートゲームが武器で、15年には全米体育協会団体戦で2位に貢献した。

 16年1月にプロ転向。米下部ツアーの予選会に失敗し、PGAラテンアメリカツアーの予選会を受験して参戦。昨季は賞金ランク61位。ジャマイカやアルゼンチン、プエルトリコなどの中南米の国々を単身転戦する。今季は8戦中4戦で予選落ちと苦戦中だ。「試合が空いているので」と今大会の出場を目指して帰国した。

 この日は横浜市在住の祖父も応援に駆けつけた。もし今大会優勝すれば日本ツアーメンバー登録が可能で、2年シードも発生する。キャディーを務める父・真雄さんは「日本の方が賞金が大きいですし、勝ったらこちらに出させて頂くと思います」と話す。

 将来的な夢は米ツアー参戦だ。米ツアー日本男子最多4勝の松山英樹の活躍を「すごいっすよ」とたたえる。「世界ランク2位は普通の人じゃない。もしいつか米ツアーで一緒に回らせてもらえるなら、ぜひ回らせてもらいたいですね」と羨望のまなざしを向けた。

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