◆米女子プロゴルフツアー メジャー第3戦 全米女子オープン第2日(14日、米ニュージャージー州トランプナショナルGC)
第1ラウンド(R)の残りが行われた。今季限りで引退する宮里藍(32)=サントリー=は中学時代から優勝を夢見る大会に最後の挑戦。第1日に2バーディー、2ボギーの72で回り首位と6打差の45位発進。グリーン上で苦戦を強いられたが、最終9番で5メートルを沈めバーディー締め。フォン・シャンシャン(中国)が6アンダー66で首位。葭葉ルミ(24)=富士住建=が4アンダー68の3位。
最終9番、ピン上から5メートルのバーディーパットを沈めると藍は右拳を握ってガッツポーズ。「同組のクリス(タムリス)が後ろからラインを見せてくれて、すごくイメージが出た。上が伸びている分、1オーバーとイーブンで終わるのは全然違う」と3年ぶり11度目の全米女子で、首位と6打差に踏みとどまった。
中学時代から憧れ、一番勝ちたいと公言する大会。05年から挑戦し、09、11年の6位が最高。72回目と女子メジャーで最も歴史ある舞台を前に「小さい頃から、ずっと勝ちたい目標を持ってきた試合。出るたびに改めて感じる」とラストチャンスに気持ちを高ぶらせていた。
いざティーオフすると、メジャー51度目の経験を武器に冷静にプレーした。イーブンで迎えた後半2、3番と2メートル前後のチャンスを決められず、5番でも3パットとグリーン上で苦戦。それでも「(苦しいのは)私だけじゃない。パーを重ねていけば間違いない」と自らに言い聞かせ、決して崩れることなく、最後の好機をものにした。
11日の練習後、ピア・ニールソン、リン・マリオット両コーチにパット指導を受け、右肩の力の入れ具合などアドバイスを受けた。「ショットは今、感触がいいのでパットだけ見てほしいと。見てもらえてよかった」。この日は「グリーンの速さとかみ合わず」32パットを要したが、課題の克服へ懸命に調整を重ねている。第2ラウンドへ「焦らず丁寧に1つずつ」と藍は感傷に浸らず、前を見つめた。