宮里藍、現役ラストを“天も味方”悪天候で異例のスコア無効に


 ◆米女子プロゴルフツアー今季メジャー最終戦エビアン選手権 第1日(14日、フランス・エビアンリゾートGC=6479ヤード、パー71)

 【エビアン(フランス)14日=高橋宏磁】宮里藍(32)=サントリー=の現役最終戦が異例の“水入り”となった。10番から出るも悪天候のため16番途中で約4時間半の中断。6ホールを終え1バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの3オーバーと出遅れていたが、15日から3日間54ホールの短縮競技とすることが発表され、14日のスコアは無効に。メジャー初制覇を狙う藍にとって“恵みの雨”となった。

 藍の現役最終戦第1ラウンド(R)は、意外な形で幕を閉じた。強風と大雨の影響により、途中まで行われていた全ての競技が無効に。72ホールの競技は54ホールに短縮された。大会責任者は「途中までプレーした選手のスコアは全てカウントしない。悪天候を考慮し、全ての選手が公平になるようにした」と説明した。

 藍が16番グリーンに上がった瞬間、台風並みの暴風雨が襲った。最大瞬間風速20メートルを超える強風に加え、観衆の傘を吹き飛ばすほど強烈な横殴りの雨。競技の一時中断を知らせるホーンが鳴り響いたが「全然聞こえなかった。自分たちの判断でテントに避難しました」。中断中は一度練習した後「寒かったので体を温めようと思って」と宿舎に戻って再開に備えた。その後コースに戻り、中断から約4時間半後に練習場へ向かう途中で一報を受けた。

 10~15番までの6ホールを消化して3オーバー。途中経過とはいえ、スコアが無効になったことはプラスだ。さらに右肩に不安を抱え「寒さが唯一の敵」と語る藍にとって、気温10度以下の寒さでのプレーを避けられたことも大きい。それでも「今までのメジャーで、こういうことはなかったと思う。続きからでも構わないと思っていた。決まったことには従うだけ」と気を引き締めた。

 第1Rは15日から仕切り直し。米ツアーでは過去にも天候不良による競技無効を経験しており不安はない。「また明日、一からやるしかない」。13年のメジャー昇格前の09、11年大会を制するなど思い出深いコースが、藍に追い風を与えた。

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