賞金1位の小平に大逆風 道具一式届かず練習R中止 


ずらりと並べられたパターを手にテストする小平智(カメラ・高橋 宏磁)

ずらりと並べられたパターを手にテストする小平智(カメラ・高橋 宏磁)

 男子プロゴルフツアーの平和PGM選手権は2日から、PGMゴルフリゾート沖縄(7005ヤード、パー71)で開催される。賞金ランク1位で初のタイトルを狙う小平智(28)=Admiral=に31日、思わぬ逆風が吹いた。台風22号の影響で、開催コースに宅配便で送ったキャディーバッグが届かないトラブルが発生。クラブがないため練習ラウンドは取りやめ、借り物のパターを1本持って9ホールを歩いた。

 小平の様子がおかしい。キャディーバッグがない。もちろんクラブもない。手にはパター1本。足元は、ただのスニーカー。帽子さえかぶっていない。「バッグが届かなくて…」とうつむいた。

 賞金1位のトッププロに降りかかった災難の原因は台風だ。2打差5位から逆転Vを狙った29日のマイナビABC選手権(兵庫・ABCGC)最終日。台風22号による悪天候で競技が中止された。会場で運送業者にキャディーバッグなどを預けて、沖縄県国頭郡恩納村の大会会場に送った。

 ところが、道具一式が届かない。預けた際に「31日には届きます」と説明した運送業者さえ想定外の事態が発生した。2週連続で台風に見舞われた沖縄県内は、深刻な食料不足の危機に陥った。そのため30日以降、食料品以外の物資は輸送が後回しに。スーツケースが届かなかった石川遼ら男子ツアー関係者の多くは、31日の時点で荷物が伊丹空港内のコンテナに入ったままだという。

 会場では他社のクラブを借りる手もあったが、慣れないドライバーやアイアンを使うと、繊細な感覚が失われる恐れもある。31日の練習ラウンドは取りやめ、急きょメーカーからパターを1本だけ借りて9ホールを歩き、「仕方ないよ」とグリーン状態を確認した。

 13年の全英オープンに初出場した際にも英国ヒースロー空港で荷物が一時紛失し、大会直前まで練習できなかった。「全英は心配だったけど、今回は荷物がある場所は分かっている。せっかくなので、ゆっくり休みたい」と前向きに捉えた。台風一過の日本列島。逆風はやまない。(高橋 宏磁)

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