今年9月に現役を引退した女子プロゴルフの宮里藍さん(32)が24日深夜放送のテレビ朝日系「宮里藍、幸せな決断。~引退特別番組~」(深夜0時10分)で引退を決断するまでの経緯と現在の心境を語った。
引退会見の2週間前に、沖縄の砂浜でインタビューに答えた宮里さんは引退について話し出した。「きっかけみたいなのは結構前にあった。2012年かな、今でもはっきりと覚えている。その年2勝して、自分のキャリアのピークに調子が良くて、それなのにメジャーで成績を残せないのが衝撃的で、(今年)勝てなきゃ(今後も)無理かなと限界を感じてモチベーションがなくなってしまった」。
その1年後にパターイップスになったことで、引退は先延ばしになったという。「そのときは、パターを得意にしていた私がパターイップスで終わるのは嫌だ。それを乗り越えようといるモチベーションはあった。でも心の中の勝ちに対するどん欲さやゴルフへの情熱は100あったうちの2か3しかなくて、何かをかけたままプレーするのはつらかった」と明かした。
自身を完璧主義者と明かす宮里さんは、そのときの中途半端な自分へ葛藤があったという。「16年の8月に次の一歩を踏み出してもいいと思った。仕事として(プロゴルファーを)続けていくことはありかもしれなかったけれど、それは小さい頃からイメージしていたプロゴルフ選手像とは違った」と話した。決断できた訳を問われると「(次が)決まらないとやめられないと思っていたけれど、決まらなくてもいいやって思えたこと」と説明した。
そこで、1年後の引退を決断したことでゴルフへの取り組み方が変った。「2017年いっぱいと決めてから楽しくなった。もう来年はないなと思うことで、いいプレーをしたいなという思いが出てきて試合に向き合うことができた」と新たな感情がわき起こったという。
引退を決断した宮里さんは、後輩の原江里菜(30)に決断を伝えると「引き際を自分で決められることはすごいことですよ」と言われたという。引退を決断した理由として、ライバルであり尊敬したアニカ・ソレンタムやロレーア・オチョアの存在を挙げた。「やめることの潔さがあった」と自身も同じような道を歩むことを決めた。
その後、11月に再びインタビューに応じた宮里さんは最終戦について回想。エビアン選手権(フランス)で引退セレモニーで送り出してくれたことに「名残惜しんでくれて終われて良かった」と話した。
「あっという間に1か月半がたったけれど、想像していたよりリラックス感がある。今までプレッシャーの中で戦ってきたという実感があって、1年通して戦うことがすごい大変なことだと…。いいタイミングで引退したという感覚があることがうれしい」と話した。また「さみしい気持ちは1ミリもなくて、みんなに会いたいという気持ちはあるけれど、やりきったからリラックスして楽しめている」と心境を語った。
今後についても語った。「これだというのは当分見つからない。ツアーでやっていた時と同じように、これだ、というのを見つけるのは2、3年かかる。数年、模索してやっていくのもいいかもしれない」と穏やかな表情で語っていた。