小平、松山超え最速15戦目で米ツアー初V


小平智

 ◆米男子プロゴルフツアー RBCヘリテージ最終日(15日、サウスカロライナ州ハーバータウン・リンクス)

 6打差12位から出た小平智(28)=Admiral=が7バーディー、2ボギーの66と伸ばし、通算12アンダーで並んだ金シウ(韓国)とのプレーオフ(PO)を3ホール目で制した。日本人では青木功、丸山茂樹、今田竜二、松山英樹に次いで4年ぶり5人目の米ツアー制覇の快挙を、日本男子最速の15戦目でスピード達成した。19―20年シーズンまでの出場資格を獲得し、今後米ツアーに本格参戦する。

 初日82位の出遅れから、小平は一気に頂点へ駆け上がった。金とのPO3ホール目、7メートルのバーディーパットをねじ込むと、クールな男がこん身のガッツポーズを見せた。「思ったところに打てて、きれいに入った」。直後に金のパットが外れると、握手を交わし、史上5人目の米ツアー初Vの瞬間をかみ締めた。

 日本男子最速の15戦目で、世界ランク(50位以内)によるスポット参戦では初の快挙だ。「こんなに早く優勝できるとは思わなかった。(2歳下の松山)英樹の活躍を見て、ああいう選手になりたいと思っていた。少しは近づけたかな」と頬を緩めた。

 最終組の5組前で「まずは(翌週の出場権が得られる)トップ10に入ろう」と臨んだ。パットがさえて66で回ると、後続が強風の影響でスコアを崩し、千載一遇のチャンスをつかんだ。6打差&12位からの巻き返しは、日本男子最大逆転差だった。

 28位に入った前週のメジャー・マスターズ(5~8日、オーガスタナショナルGC)後、「自信が確信に変わった」と手応えをつかんだ。この日、フェアウェーを外したのは2度だけ。2日目にベストスコアをマークし、4日間で68・06%(全体7位)のパーオン率で19バーディー(同5位)を量産した。

ランク最高27位

 米ツアー19~20年シーズンまでの出場資格、来年のマスターズの切符も獲得した。海外志向が強く、5年前には予選会を受験した。米ツアーは「規模がでかすぎて夢の舞台」と口にしたこともある。近日中に一時帰国し、憧れのツアーに本格参戦する。世界ランクは女子プロゴルファーの古閑美保夫人(35)の最高位、06年の31位を超えて自身最高の27位に浮上した。「これをきっかけにメジャーでも優勝争いしたい」。このVだけで、賞金120万6000ドル(約1億2904万円)を手にした男は、次なる野望を見据えた。

 ◆小平 智(こだいら・さとし)1989年9月11日、東京・三鷹市生まれ。28歳。10歳からゴルフを始め、駒場学園高から日大へ進学。2年で中退して2010年にプロ転向。13年の国内メジャー、日本ツアー選手権で初優勝。15年の日本オープンを制してメジャー2冠。17年3月に古閑美保さんと結婚し、同年の賞金ランクは自己最高の2位。日本ツアー通算6勝。172センチ、70キロ。家族は妻と両親、姉。

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