初夏の日差しを受け練習ラウンドをこなした畑岡（カメラ・相川 和寛）
女子プロゴルフツアーのメジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップは３日から４日間、茨城ＧＣ西Ｃ（６７１５ヤード、パー７２）で行われる。
前週のメディヒール選手権で米ツアー自己最高の７位になった畑岡奈紗（１９）＝森ビル＝は１日早朝に帰国するとコースへ直行し、練習ラウンドを敢行。茨城・笠間市出身の若手実力プロは地元開催メジャーで堂々と優勝を宣言した。１６、１７年の日本女子オープンに続き、タイトルを手にすれば諸見里しのぶの２３歳５９日を更新、ツアー史上最年少のメジャー３勝となる。
米カリフォルニア州で行われたメディヒール選手権で、米女子ツアー自己最高の７位でホールアウトした畑岡は、その約２４時間後には茨城ＧＣで練習ラウンドをスタートさせた。時差１６時間、距離約８２４０キロを乗り越え、地元に帰ってきた。
「子供の頃からギャラリーとして何度も見に来ていた。いつか、私も出場したいと思っていた」と茨城出身の１９歳はワールドレディスサロンパスカップ初参戦にかける強い思いを明かした。特に印象深い大会が２０１０年。米国の美人プロ、モーガン・プレッセル（２９）が２位に３打差をつけて圧勝した。「外国の選手を初めて見た。プレッセルはハイタッチしてくれた」。当時１１歳。米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）に由来する名前を持つ少女は「ワールド」を冠する大会にふさわしい感動を味わった。現在、米女子ツアーを主戦場とする畑岡の原点でもある。
米ツアーでは３戦連続でトップ２０入り。「ティーショットがまとまってきた」と確かな手応えを明かす。世界ランクは４４位まで上昇し、全米女子オープン（３１日～６月３日）の出場権（同５０位以内）を確保した。「予選会に出るつもりだったので、出場が決まって気持ちが楽になった」という。
先週の日本ツアーでは同い年の新垣比菜が優勝。「刺激になる。ジュニアの時から切磋琢磨（せっさたくま）してきたので」と笑顔で話す。もちろん、負けるつもりはない。今大会の目標を問われると間髪入れず「優勝です」と言い切った。
１６年の日本女子オープンを初めてアマとして、しかも、大会史上最年少で制した。１７年も大会連覇。大舞台に強い畑岡が今大会で初出場初優勝を飾れば、ツアー史上最年少のメジャー３勝となる。時差ボケや疲労について「大丈夫です」とキッパリ。やはり若い。心技体充実の１９歳が、憧れの地元メジャーに挑む。（竹内 達朗）