小祝さくら、PO中断“珍事”からV逸


プレーオフ2ホール目で申ジエ(左)に敗れた小祝さくら(右)

プレーオフ2ホール目で申ジエ(左)に敗れた小祝さくら(右)

 ◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス最終日(2日、岐阜・ゴルフ5Cみずなみ)

 韓国の申ジエ(30)=スリーボンド=と小祝さくら(20)=ニトリ=によるプレーオフ(PO)は、1ホール目終了後に雷雲接近のため1時間34分の中断に見舞われた。日本女子プロゴルフ協会関係者も、POの中断は「聞いたことがない」という“珍事”が起きる中、再開後の2ホール目でパーを拾った申が、今季2勝目と国内通算19勝目を飾った。同ホールでボギーの小祝は今季3度目の2位となった。

 青空が一転し、上空が曇り始めた。18番で行われたPO1ホール目で両者パーとした直後、雷雲接近を知らせる合図が鳴り、小祝は苦笑いしながらグリーンを駆け上がった。前代未聞となるPO最中の中断劇は1時間34分に及んだ。

 同学年の小倉、河本とフルーツを食べたり、ロッカーで靴べらを使ってストレッチするなど、小祝はリラックスモードで過ごした。一方、申は「集中力を切らさないように、ロッカー内の静かな場所にいた」。いつ再開するか分からない決戦に、両者ともに備えた。

 再開した2ホール目、15メートルのバーディーパットを3メートルオーバーさせ、ボギーとした小祝は「集中力が足りなかったのかな」とポツリ。POの2ホールともにフェアウェーを外したことを悔やんだ。雨中の“死闘”は、百戦錬磨の元世界ランク1位に軍配が上がった。

 小祝は、過去2度の2位をともに逃げ切りに失敗していた。この日は最終組の1つ前から68と猛追し、16番で単独首位に立った。それでも「(最終組で回る)申ジエさんの“圧”があった」と壁は厚かった。黄金世代では新垣比菜(19)、大里桃子(20)に続く今季3人目の優勝を逃し「次は優勝しかない」と前を向いた。(岩原 正幸)

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