原江里菜、約1年10か月ぶり首位発進 天国の恩人へV届ける


18番グリーン上で笑顔を見せる原江里菜(カメラ・相川 和寛)

18番グリーン上で笑顔を見せる原江里菜(カメラ・相川 和寛)

 ◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアー ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン第1日(21日、宮城・利府GC)

 東北とゆかりのある4人が首位に並ぶ大混戦となった。宮城・東北高出身の原江里菜(30)=NEC=が5バーディー、1ボギーの4アンダー、68をマークし約1年10か月ぶりの首位発進。6月に宮城在住の恩人が亡くなり、約3年ぶりの3勝目となる“弔い星”を誓った。東北高の後輩・大江香織(28)=アルパイン=、東北福祉大出身の佐伯三貴(34)=大和ハウス工業=、福島出身の酒井美紀(27)=国際スポーツ振興協会=、小祝さくら(20)=ニトリ=も首位を走る。

 “第2の故郷”で見えない運命の糸に導かれ、原江がリーダーボードを駆け上がった。最終18番。残り65ヤードから50度のウェッジで3メートルにつけてバーディー。首位に並んでホールアウトすると、美人プロは笑顔で報道陣の前に姿を現した。16年11月以来の首位スタートに「調子がいい。パットもよく決まってくれて取りこぼしなくやれたと思います」と充実の表情を浮かべた。

 特別な大会だ。高校、東北福祉大と会場のある宮城県で7年間過ごした。約15年前から高校の先輩で日米ツアー24勝の宮里藍さん(33)の紹介で知り合った男性に、食事をごちそうしてもらってきた。「(仙台に来ると)毎晩のように連れて行っていただいた」。ところが今年6月に「60代前半」の若さで急逝。「連れて行ってもらっていた牛タン屋さんに行きました」と故人をしのんだ。今大会前には、同じく世話になってきた有村智恵(30)とともに墓参り。「その人のために、頑張りたい気持ちもあります」と大会初制覇を誓った。

 6年ぶりに賞金シードを失って迎えた今季は、5月のほけんの窓口レディースの5位が最高で賞金ランク52位。前週、初優勝を遂げた香妻琴乃(26)と祝勝会を開き、シャンパンで祝杯を挙げた。「勝つということに関しては、きっかけや運もあるなと感じた」。この日は10番、13番で8メートルのバーディーパットをねじ込むなど計26パット。過去2勝はともに首位タイ発進だった。好調なグリーン上を武器に3度目の完全Vをつかみ取る。(榎本 友一)

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