和風美人プロ松田鈴英が初V逃す アン・ソンジュ逃げ切り5勝目


1番、ティーショットを放つ松田鈴英

1番、ティーショットを放つ松田鈴英

 ◆女子プロゴルフツアーNOBUTAグループマスターズGCレディース 最終日(21日、兵庫・マスターズGC=6528ヤード、パー72)

 首位と6打差3位からスタートした和風美人プロ松田鈴英(れい、20)=ニトリ=は15番終了時で首位と1打差まで肉薄したが16番でボギー、17番でダブルボギーをたたき、4位に終わった。5バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの72でスコアを伸ばせず、最終的に4位に終わった。

 2位に5打差をつけて首位から出た韓国のアン・ソンジュ(31)=モスバーガー=は2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの74と苦戦したが、通算12アンダーで逃げ切り、今季5勝目、通算28勝目を挙げた。今季ツアー2番目の高額賞金大会で大きな勝利を手にして賞金女王レースで独走態勢に入った。さらに永久シード獲得(30勝)まで「マジック2」。生涯獲得賞金は10億3159万4566円となり、ツアー史上5人目の大台突破も果たした。

 2打差の2位は韓国のキム・ハヌル(29)=HITE JINRO=。3打差3位に安田彩乃(23)=フリー=が続いた。

 167センチ&54キロのモデル体形でドライバー飛距離ランク9位(247・61ヤード)で華のある美人プロが一時“ミラクル”を予感させた。実力者のアンに6打の大差をつけられて臨んだ最終日最終組。15番パー5で持ち味の飛距離を生かして2オンに成功し、バーディー奪取。アンに1打差まで迫った。

 しかし、ここからが試練だった。16番パー4でボギー。難関の17番パー3では第1打をグリーンオーバー。アプローチもグリーンに乗せられず、3オン2パットのダブルボギーをたたき万事休す。「優勝を意識して緊張した。17番の第1打は力が入ってしまい、リズムも速かった」。土壇場で崩れ、4位に後退するとクラブハウスに戻り大粒の涙を流した。

 先週の富士通レディースで自己最高タイの3位に入り、好調で臨んだ今大会。プロ2年目で待望の初優勝を目指したが、優勝するためには大事な上がり3ホールを乗り越えられなかった。

 「アンさんは前半、苦しんでいたけど、後半はスコアを戻してくると思っていた。特に上がり3ホールの集中力はすごかった。私はそれまでに集中力を使い切ってしまっていました」

 悔し涙を流しながらも、敗戦を冷静に振り返った。その上で付け加えた。

 「もっと練習しなければいけない」

 悔しさを受け入れる心構えと向上心を持ち続ければ、近い将来うれし涙を流す日が来るだろう。

 ◆松田 鈴英(まつだ・れい)1998年1月24日、滋賀・彦根市生まれ。20歳。10歳からゴルフを始める。2016年、福井工大付属福井高を卒業。同年のプロテストは失敗したが、17年はトップ合格。その資格で昨季ツアー後半戦に参戦したが、14試合中10回予選落ちで賞金ランク112位に終わった。ツアー出場優先権を争う最終予選会で18位となり、今季、初のフル参戦で飛躍した。趣味は買い物。好きな色は紺。167センチ、54キロ。

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