【牧野裕チェック】米で成長、技術と精神力


18番、難関ホールでバーディーを奪い歓声に応える小平智(カメラ・相川 和寛)

18番、難関ホールでバーディーを奪い歓声に応える小平智(カメラ・相川 和寛)

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー今季最終戦 日本シリーズJTカップ第1日(29日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 小平が、最終18番で米ツアーで成長してきた姿を見せてくれた。第1打はもう少しでホールインワン。ピン左1・5メートルあった、スライスラインのバーディーパットをしっかり打って入れた。あれはすごい。16年大会最終日に、3メートルの下りのパーパットを外して2位。急傾斜のグリーンの怖さも知っているのに、迷いなく打ち抜いた。普通は「パーでよし」のホールだ。入れにいきながら距離を合わせる人がほとんど。ラウンド後に聞いたら「バーディーかダボになってもいい、くらいの気持ちで打ちました」と話してくれた。

 私は、彼の思い切りの良さと技術の高さが4月のRBCヘリテージでの米ツアー優勝につながったと見ている。米ツアーは本当に層が厚いので、日本でいう「すごいプレー」を4日間しないと勝てない。この日の18番のショット、パットの技術の高さと攻撃的な姿勢と精神力。1年間、米ツアーで戦い抜いて技術的にレベルアップし、精神的にタフになったなと感じた。

 15年大会王者の石川は時折、ドライバーショットが曲がるが、小平と回ったのが大きな刺激になると思う。もう一度、米ツアーに戻りたいと改めて思ったのでは。18番の第1打は非常に良いスイングだった。2日目以降に期待したい。(プロゴルファー)

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