男子プロゴルフの日本プロ選手権(5月)で50歳3か月のメジャー最年長優勝となる20勝目を飾った谷口徹(50)=フリー=が16日、大阪市内のホテルで祝勝会を開いた。PL学園高で3年間クラスメートだった、元巨人投手でスポーツ報知評論家の桑田真澄さん(50)と2人でステージに上がり、司会者からの質問に答える形で思い出を語った。
谷口は「分野は違うけど、彼みたいな選手になりたいという気持ちがあったからこそ賞金王にもなれたし、この年でもやれている。(桑田さんは)コツコツ努力するし、いい見本でした。高校時代は桑田君が(何度も)走っていたグラウンドの外野が、その部分だけ芝生が無くなって“桑田ロード”と呼ばれていた」と振り返った。
桑田さんは、谷口の日本プロ優勝について「飛距離ではなく、ショットやパットのコントロールの長所が前面に出た優勝だった」と祝福した。高校時代の印象を「(クラスに)野球部が22人くらいいて、ゴルフ部は5人。肩身の狭い思いをしていたと思うが、静かなタイプだった。あの時のイメージからすると、ガッツポーズするような感じではなかった」と懐かしんだ。
その上で「優勝して電話したりは、(谷口も)忙しいだろうし、僕はあまりしない。苦しんでいる時やうまくいかない時こそ、手助けできたらいい。それはまだ先であってほしい」と語った。
2007年に谷口がピッツバーグで行われた全米オープンに出場した際には、桑田さんは大リーグ・パイレーツに在籍していた。谷口は「ホテルでキャディーらと食事をしていたら、聞き覚えのある声がするんです。ちょうど桑田君がメジャーに上がった日で、偶然再会した。それで球場にも案内してもらい、初めて大リーグのグラウンドに立たせてもらった。彼にサインをしてもらった帽子は今でも持っている。一番の思い出です」と感慨深げだった。
祝勝会には青木功・日本ゴルフツアー機構会長(76)、小平智(29)、上田桃子(32)、菊地絵理香(30)ら約350人が駆けつけた。途中、目を潤ませる場面もあった谷口は「結婚式みたいですね」とおどけながら「年取ると感動しやすいんです」としんみり。
来季に向けては「若い選手も成長しているし、自分も1センチでも1ミリでも成長したい。彼らと戦って勝ちたいと思う」と決意を新たにした。桑田さんからも「ゴルフは息の長い競技。谷口君の活躍はうれしい。勝つことを目指すと同時に、ゴルフ界の発展にも貢献してもらえたら」とエールを送られた。