驚異のエージシューター田中菊雄の世界109 武藤一彦のコラム


 エージシュートは2019年2月15日現在393回を記録した。今年に入って15回、量産体制に入った。この調子だと3月3日の誕生日までには通算記録は400回を悠に越えそうな勢いである。

 

 うれしい事件が相次いでいる。昨年11月末から12月5日にかけ8ラウンド連続でエージシュートをやった。11月24日の木更津GCを、泊まり込みで2日連続、そのあとは自宅から30分の得意コース、よみうりGCを6ラウンド連続で攻め、いずれも成功した。木更津では75、年齢を8打も下回るアンダーパーで、月例に優勝、よみうりGCも6アンダーの77で回るなどすべてアンダーラウンドというから驚きである。

 

 勢いは年が明けても衰えない。暖かい沖縄に遠征するなど回数を増やし帰京、1月15日のよみうりGCでは74、エージシュートに9アンダー。
 2月5日には日本シリーズの舞台、東京よみうりCCでの「三井の森CCとの合同研修会」でバックティから82をマークした。長野の三井の森とは親善関係にあり夏、冬の研修会を行き来して研鑽に励む関係にあるが、そんなトップクラスの会で2番目のスコアを出し調子はいやが上にも挙がっていた。

 

 そんな大会の2日後であった。得意コースのよみうりGCを回った田中さんは72のパープレー、エージシュートに11アンダーの自己新の快挙をやってのけた。

 

 同コースの生え抜きのメンバーたちが毎月集まる「火曜会」。当日はかつてよみうりGC立ち上げの今から60年も前、コース創始者の正力松太郎氏と一緒にコースを歩き、植樹に貢献した造園家の粟津さんはじめ、久家さん、石川さんら、気のおけない仲間と気楽にまわったのがよかったか、インスタートの2番、18番をバーディーの34、アウトの3番でボギーが初めて出たが、あとはすべてパーの37のパープレーで回った。繰り返す。11アンダーは生涯で初、最多アンダー記録である。世界は広いが年齢を下回ること11の2けたアンダーはギネスものだ。おそらく・・。

 

 「去年(18年)は1、2月でエージシュートは6回。それが今年は19回も出た。これは進歩だ」田中さんは確信している。「8ラウンド連続もやった、アンダーパー記録も年々伸ばし11アンダーまで行った。目標があると宿題を解いているような気になり励みになっている。無謀だと思っても前向きな気持ちの方が先に行く、ホールインワンもアルバトロスもやっている、経験の再現だ、とどんどん行けている」

 

 技術的にはアプローチがよくなったとみている。「これまで左へ行きがちだったのが、ウエッジの歯を立てスピンを利かす。ピンの右狙いで打つとうまくいくようになった」と手ごたえがある。専門的でプロの世界みたいだが、コーチの浪崎百合子プロは会心の手ごたえだ。「もともとアプローチはうまいが、苦手意識がさらになくなった」と見る。「これまで平均スコアが83くらいだったが、アベレージが上がっています。ショットが飛びパーオン率が高くなった。その証拠にパット数は30パット。決していい確率ではないのにスコアがよくなっています。ダボを打たないゴルフを目指し、ボギーをださない、さらにパーをとるゴルフを目指すと次にバーディーを取るゴルフへ。いい変化が明らかに出ています」

 

 19年の冬、田中さんの進化が寒さを感じさせない。
 「階段を上がらないと見えなかったものが、見えるようにになった」と高見から手をかざす先に見えているものはさて何なのだろう。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。83歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。