比嘉真美子、04年宮里藍さん以来の沖縄勢の大会Vへ独走!婚約・勢に「いいニュースを」


3番でティーショットを放つ、通算9アンダーで首位の比嘉真美子(カメラ・宮崎 亮太)

3番でティーショットを放つ、通算9アンダーで首位の比嘉真美子(カメラ・宮崎 亮太)

 ◆女子プロゴルフツアー開幕戦 ダイキンオーキッドレディス第3日(9日、沖縄・琉球GC=6514ヤード、パー72)

 地元・沖縄出身の比嘉真美子(25)=TOYO TIRES=が暴風雨の中、3バーディー、2ボギーのベストスコア71。通算9アンダーに伸ばして単独首位を堅持し、2位と7打差をつける独走態勢となった。最終日の10日は婚約中の大相撲の幕内・勢(32)=伊勢ノ海=が春場所初日を迎えるため「いいニュースを届けたい」と、昨年6月の婚約発表後初優勝となる通算5勝目を誓った。

 台風並みの最大瞬間風速18・7メートルの悪条件で、比嘉が“地の利”を生かした。「これまで何度かあるけど数えるくらい。過酷でした」。序盤からの雨と風で、何度も傘が飛ばされそうになった。全選手の平均スコアは76・1852。この日2人しかいないアンダーパーでベストスコア71を出し「この天候では100点に近い」とたたえた。

 会心の場面は12番だ。残り112ヤードからのウェッジショットを3メートルに運び、狙い通りにバーディーを奪った。「右からの強風に流されて、いい位置についた。風にぶつけるというより、風を利用して打つ」と極意を語った。

 ラウンド中も頻繁に向きを変える沖縄特有の気まぐれな風の扱いは、ジュニア時代から慣れている。強風など難条件で有名な海外メジャー、全英女子オープンで2度トップ10(13年7位、18年4位)の力を示した。後続に7打差をつける独走で、2004年の宮里藍さん以来となる沖縄勢の大会優勝に近づいた。

 婚約者で大阪・交野市出身の勢は10日に地元で春場所(エディオンアリーナ大阪)を迎える。「私ができることは(優勝して)いいニュースを届けること。お互い地元(の大会)でプレッシャー、いろんな感情があるけど、応援を力に変えてこそ一流選手だと思う」と比嘉はうなずいた。

 昨年は自己最高の賞金ランク4位(約1億997万円)も1勝に終わった悔しさをバネに、オフは体作りに励んだ。20年東京五輪強化選手として臨んだ合宿中に栄養士から「米、フルーツ、乳製品を取ること」とアドバイスされ、食事に対する意識が高まった。

 優勝なら、昨年4月KKT杯バンテリンレディス以来で、同6月に婚約を発表してからは初となる。「初日と変わらない気持ちで、最終日のスタートに立てれば」。メジャー優勝を含む3勝を掲げる今季、開幕戦を制して“勢い”をつける。(岩原 正幸)

 ◆比嘉と勢の婚約 2018年6月27日、勢が比嘉との婚約を明かす。比嘉が15年5月の夏場所を観戦した際に知人を通じて知り合った。16年から交際がスタート、17年夏頃に勢がプロポーズ。2人は誕生日が同じ10月11日という縁もある。勢は春場所初日、幕内・松鳳山(二所ノ関)と対戦する。

 ◆4日間大会の3日目に7打差以上リード 比嘉で7例目。日本女子プロゴルフ協会によると、1988年のツアー制施行後で首位が7打差以上つけたのは6例あり、いずれも逃げ切りV。最大差は97年サントリーレディスの塩谷育代の10打リードで、最終的に7打差で優勝。

最新のカテゴリー記事