◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアーワールド・レディス サロンパスカップ 第3日(11日、茨城・茨城GC東C、6560ヤード=パー72)
1打差の2位から出た渋野日向子(ひなこ、20)=RSK山陽放送=が6バーディー、ボギーなしの66をマークし、連続ボギーなし記録を38に伸ばした。通算11アンダーで韓国のペ・ソンウ(25)と並ぶ首位タイに浮上。史上13人目となるメジャーでのツアー初Vを狙う。2位で出たアマチュアの吉田優利(19)=日本ウェルネススポーツ大1年=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算7アンダーの3位と奮闘した。メジャー初制覇を狙う穴井詩(らら、31)=GOLF5=が5打差の4位。
18番パー5。第1打を右に曲げバンカーにつかまった渋野は、この日最大のピンチを迎えた。エッジからの5メートル。ウェッジとパターで迷ったが、柳田真歩キャディー(27)からの「最後はパターで決めよう」とのアドバイス通りに締めくくった。この日12個目のパーで連続ボギーなしを38とし、首位に並んだ。
「『しびれる~』って思った。(歓声が)イーグル並みでテンション上がった」と18番を振り返った渋野。第2ラウンド(R)は数人だったギャラリーは約150人に。ツアー初の最終組をメジャー大会で経験する緊張感も見せず、笑顔を絶やさなかった。「日本語で通した(笑い)」と同組のペ、2学年下の吉田に話しかけた。「めちゃめちゃ楽しんだ」が、プレーでは表情を引き締め、4、5、6番は3連続バーディー。一時単独首位にも立った。
以前は嫌いだったというパットを決めまくった。6番は下り8メートルのフックラインを沈め、12番も7メートルのラインを読み切った。パットの名手・鈴木愛の練習を観察するなどし、技術を身につけつつある。今季の平均パット数は1・7612で1位に立つ。
18年6月にプロ初出場のアース・モンダミンカップ(予選落ち)初日で、いきなりホールインワンを達成。父・悟さん(51)から「プロゴルファーは夢を与える職業だから」との助言を受け、高級車の「レクサス」を購入した。今大会はレンタカーだが、地元・岡山県に近い関西圏の試合は自ら運転し通う。
初Vがメジャーなら史上13人目。20歳178日での優勝なら大会史上最年少優勝の期待がかかる。3月のヨコハマタイヤPRGRレディス6位、4月のフジサンケイレディスでは最終日まで優勝争いをして2位と波に乗る。畑岡奈紗、勝みなみと同じ98年度生まれ。日本女子アマ、日本ジュニアは予選落ちとアマ時代の実績はほとんどない黄金世代の“雑草”が海外勢のメジャー連勝を「5」で止めてみせる。(宮下 京香)
◆メジャーでの連続ボギーなし 渋野は10番スタートだった第1Rの8番から38ホール連続ボギーなし。記録が残る1990年以降では11番目の長さとなる。最長は99年明治乳業カップ・肥後かおりの59ホール。渋野が最終日もボギーなしなら56ホールで、2007年ツアー選手権リコー杯の不動裕理に並び2位になる。
◆渋野日向子(しぶの・ひなこ)アラカルト
▼生まれ、サイズ 1998年11月15日、岡山市生まれ。20歳。165センチ、62キロ。
▼ゴルフ歴 8歳で始める。岡山・作陽高出身。昨年7月に2度目のプロテスト受験で合格。同12月の新人戦で3位。昨年は下部のステップアップツアー16戦で予選通過し、7度のトップ10入り。
▼好きな有名人 EXILEの佐藤大樹(24)。
▼スポーツ歴 小2から小6までソフトボール。ポジションは投手。
▼特技 書道。小学校低学年から約10年続け、初等師範(書道教室で指導できる腕前)を取得。
▼幼少時の夢 仮面ライダーとディズニーアニメの主人公・アリエル。
▼活発な性格 中学3年間で前後期6度のうち、5度学級委員長を務めた。
▼家族 両親と姉、妹。