ツアー未勝利の木下稜介が令和初のアルバトロス「超うれしかった」


3番でアルバトロスを達成した木下稜は、3番アイアンとボールを手に笑顔を見せた(カメラ・相川 和寛)

3番でアルバトロスを達成した木下稜は、3番アイアンとボールを手に笑顔を見せた(カメラ・相川 和寛)

 ◆男子プロゴルフツアー ミズノオープン(報知新聞社特別協力)第1日(30日、茨城・ザ・ロイヤルGC=8016ヤード、パー72)

 ツアー未勝利の木下稜介(27)=ハートランド=が、3番パー5で2打目をカップインさせ、国内男女で令和初のアルバトロスを記録。1アルバトロス、2バーディー、2ボギーの3アンダー、69で2打差4位と好発進した。同学年の松山英樹(27)=LEXUS=と高校時代に四国でしのぎを削ったホープが、上位4人に与えられる7月の海外メジャー、全英オープン(ロイヤル・ポートラッシュGC)の初切符を狙う。

 離れワザを決めた本人ですら信じられなかった。後半3番。木下稜は残り245ヤードの左ラフから3アイアンを強振した。「フォローの風だったので、ワンクッションしてグリーンに乗ればいいかな」。見守った観客は1人。グリーンに近づくと、同組のキュー(フィリピン)に「カップチェック」と促された。「うわっ、入ってる。超うれしかった」。その瞬間は見えなかったが、満面に笑みを浮かべ、球を拾い上げた。

 自身初、ツアーでは1月のSMBCシンガポールオープン2Rの文道ヨプ(韓国)以来、今季2人目のアルバトロスだ。元号が令和になって初めて。「一生に一度あるかないかだし、うれしい」。2戦連続で予選落ちをしていたが、この一打が効いて2打差の4位と好発進し「コースも難しく調子も良くなかったので、安全に攻めたのが良かった」と声を弾ませた。

 米5勝の松山、石川遼(27)と同学年で、香川西高時代は明徳義塾高(高知)の松山と切磋琢磨(せっさたくま)した。「昔からうまかったけど、今は足元にも及ばない。早く米国に行って英樹に追いつきたい」と今季は国内2勝を目標にする。昨年はLINEでアプローチの打ち方を尋ね、「すごく教えてくれた。同い年だけど格上なので、聞きたいことは聞いている」と感謝した。

 今週上位4人に入れば、松山も出場する全英オープンの切符が与えられる。タイガー・ウッズ(米国)に憧れ、初メジャー出場を狙う27歳は「全英が懸かっているけど、あまり意識せずに。まだ初日なので2日目もしっかりアンダーパーで回りたい」と端正なマスクを引き締めた。(岩原 正幸)

 ◆アルバトロス そのホールの規定打数より3打少なく上がること。ツアーに資料が残る1985年以降では41回目。

 ◆木下 稜介(きのした・りょうすけ)1991年7月16日、奈良・北葛城郡生まれ。27歳。10歳からゴルフを始める。高校は故郷を離れ、香川西へ進学。09年全国高校選手権で2位。大阪学院大4年時の13年、朝日杯日本学生優勝。14年にプロデビューし、18年賞金ランク54位で初シード獲得。同年6月に下部ツアー優勝。174センチ、75キロ。家族は両親、弟。

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