渋野日向子に樋口久子顧問が金言「いい時は何も考えなくていい」Vなら1億円突破


プロアマ戦のスタート前に大きく手を広げストレッチする渋野(カメラ・豊田 秀一)

プロアマ戦のスタート前に大きく手を広げストレッチする渋野(カメラ・豊田 秀一)

 女子プロゴルフのデサントレディース東海クラシックは20日から3日間、愛知・新南愛知CC美浜Cで行われる。海外メジャーのAIG全英女子オープン(8月)を制した渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は19日、プロアマ戦で1977年全米女子プロ選手権優勝の樋口久子・日本女子プロゴルフ協会顧問(73)と初めて同組でラウンド。メジャー優勝の大先輩の教えを胸に生涯&今季の獲得賞金1億円突破を目指す。

 海外レギュラーのメジャーを制した日本人選手は樋口顧問と渋野だけ。53歳差の2人のレジェンドが初めて同組でプレーするという歴史的なラウンドが実現した。「初めて一緒に回りました。グリーン周りのアプローチ、バンカーが全く違った。ショットも曲がらない」

 ゲスト2人を交えたプロアマ戦を終えた後、渋野はトレードマークの笑顔と驚きの表情を交えて、楽しそうに話した。

 樋口顧問は全英女子オープンのテレビ解説を務め、渋野の快挙を見届けた。「私たちの世代とは全然違う。しびれがなかった」と20歳の強気のパットを称賛した。国内69勝、海外3勝を誇る「世界のチャコ」が改めて「パットをする時、何を考えているの?」と質問すると、渋野は「頭が動いたりする悪い癖が出ないようにしています」と返答。それを受けて樋口顧問は「(調子が)いい時は何も考えなくていいからね」と“金言”を授けた。

 プロアマ戦の表彰式が終わると、渋野は練習グリーンに走って直行。入念にパット練習を行った。初出場となる今大会に向けて「パット次第。グリーン上の勝負になると思います」と表情を引き締めた。

 昨年までツアー獲得賞金は0円。今季、全英女子オープンの優勝で約7200万円の賞金を手にしているが、日本ツアーでの獲得賞金は約9203万円でランク2位。今大会に勝てば生涯&今季1億円を超える。24試合目での生涯獲得賞金1億円突破は、先週に17試合で達成した畑岡奈紗(20)=森ビル=に次いで日本人2番目のスピード記録で宮里藍(27試合)を抜く。「早いうちに超えられれば」と大台突破に意欲を示す。42年の時を経て誕生した世界メジャー王者。樋口顧問のアドバイス通り、何も考えずにパットを打てた時、渋野は、その大先輩に一歩近づくことができる。(竹内 達朗)

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