◆女子プロゴルフツアー デサント東海クラシック第1日(20日、愛知・新南愛知CC美浜C)
海外メジャーのAIG全英女子オープン優勝の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は5バーディー、2ボギーの69で回り、首位と6打差の8位スタートを切った。
ショット、パットとも好調で「自分らしいゴルフができた」と胸を張った。全英制覇後としては初めて東海地方に登場。今季ツアー初日&今大会初日の最多観衆が詰めかけ、周辺は「シブコ渋滞」が発生するなどコース内外で存在感を発揮した。申ジエ(31)=スリーボンド=と李知姫(40)=フリー=の韓国勢が63で首位。
ゴルフ熱が高いと言われる愛知県で渋野ワールドが展開された。ともにパー5の12番では残り247ヤードを3ウッドで、15番では残り215ヤードを5ウッドで立て続けに2オン成功。いずれも2パットで収め、バーディーを奪った。「自分らしいゴルフができた。狭くても全力でドライバーを振ったので飛んでいた。狙う予定ではなかったパー5でも2オンを狙えた」。トレードマークの笑顔満開で話した。
ショットに加え、パットも要所で決まった。「(16番で)3パットのボギーを1回したけど(ミスを)最小限に抑えられた」と渋野は胸を張った。
世界を制した強気のパットに日々、磨きをかけている。返しのパットを入れることができるからこそ、薄めのライン(曲がり幅)で強めに打つことができる。「片手で1メートルのパットの練習をしています。右手と左手、どっちもです」。アマチュアゴルファーにも参考になり、マネができる練習法だ。練習グリーンの周りではオジさんゴルファーが食い入るように渋野のパットを見つめていた。
この日の観衆は7982人。初日としては今季最多&今大会最多。「人、人、人ですね」とびっくり。コース周辺では「シブコ渋滞」が発生した。同じ1998年度生まれの「黄金世代」原英莉花、新垣比菜と同組だったため、注目度はさらにアップ。9番では隣接する18番のギャラリースタンドに陣取ったファンが18番グリーンに背を向けて渋野組のプレーに見入っていた。
「久しぶりに楽しくプレーできた。こんなに楽しくプレーできたのはアース・モンダミンカップ(6月、4位)以来かな。全英は別にしましょうか」とニコリ。今大会に勝てば生涯&今季1億円を突破する。実力派韓国人選手の申ジエと李知姫が首位。逆転Vへの道は険しいが、プレーしている方も見ている方も楽しい渋野ゴルフなら不可能でもない。(竹内 達朗)
◆今大会の観衆記録 この日は7982人。第1日の最多記録(17年6679人)を1303人更新した。今大会は1993年まで異例の男女ツアー同時開催だった。両ツアー合計では最終日2万6720人、3日間累計4万7230人(いずれも89年)の最多記録が残る。女子だけの開催では最終日1万708人、3日間累計2万3402人(いずれも15年)が最多。今季ツアーこれまでの第1日最多は先週の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯の6231人で、こちらも1751人更新した。