渋野日向子「ギャラリーいる方が燃える」 ツアー初の無観客試合は6位、最年少賞金女王見えた


無観客試合をホールアウトし、ギャラリーのいない18番を後にする渋野日向子(カメラ・今西 淳)

無観客試合をホールアウトし、ギャラリーのいない18番を後にする渋野日向子(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアースタンレーレディス 最終日(13日、静岡・東名CC=6572ヤード、パー72)

 台風19号の影響で10番からの9ホールを61人で行い、1988年のツアー制施行後、7年ぶり7度目の27ホール短縮競技となった(賞金加算75%)。安全を考慮したツアー初の無観客試合は、6打差25位で出た渋野日向子(20)=RSK山陽放送=が4バーディー、ボギーなしのベストスコア32をマーク。通算5アンダーの6位に入り、賞金ランク1位の申ジエ(31)=韓国=との差を約609万円に縮めた。黄アルム(31)=韓国=が8アンダーで今季初V。通算5勝目を挙げた。

 台風一過の秋晴れの中、渋野が猛追を演じた。出だしの10番と16番で、いずれも10ヤードをチップインバーディー。9ホールの短期決戦で4つ伸ばし「今日の内容なら、もうハーフ回りたかったな、という感じです。なるべく順位を上げたいと思っていた」と振り返った。

 台風19号の被害とギャラリーの安全を考慮し、ツアー初の無観客試合。電光掲示のリーダーボードやギャラリーロープは姿を消した。普段は「ナイスショット!」などと響く大歓声もなく、選手のショット音だけが響く中でのラウンド。「去年の(下部の)ステップアップツアーやプロテスト、QT(予選会)を思い出しましたね。自分の打った球がグリーンに乗ったかどうかが分からなくて…。私はギャラリーさんがいる方が燃えるな、と思いました」と笑った。

 中止となった前日(12日)はホテルにこもり、母・伸子さんが届けた2枚のDVDを見た。「グレイテスト・ゲーム」と、ボビー・ジョーンズの生涯を描いた映画を「英語の勉強にもなるし」と見入った。史上初めて男子の4大メジャーを制した球聖の姿に「勝ち続けていくのはつらい。重圧で手が震える、というところとか感情移入するところが多くて泣きました。私もパットで手が震えることがあるので分かるような気がして」と背中を押された。

 次週は欠場し、地元・岡山で静養する。「台湾(での米ツアー)を挟んで残り5試合。賞金女王になるには、すべて上位争いをしないと」。最年少賞金女王へ、最後まで戦い続ける。(榎本 友一)

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