◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権 第2日(1日、兵庫・ABCGC、賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)、観衆2016)
予選会を突破して出場した小西貴紀(27)=ジャパンビレッジGC=が、通算5アンダーの19位で決勝ラウンド(R)に進出を決めた。18番では第2打を池ポチャでダブルボギーを叩き「伸ばせるだけ伸ばしたかった。ショットは悪くないけど、ちぐはぐしてしまった」と悔やんだが、首位とは5打差と十分チャンスがある位置にはつけた。
異色の経歴の持ち主だ。9歳でゴルフを始め、ジュニアの大会では同学年の石川遼とも一緒にラウンドするなどしていたが、14歳で一度ゴルフを“卒業”。しかし「ゴルフを頑張ったらお金を稼げるかな」と考え、18歳の時にゴルフ場の研修生になり、再び競技を再開した。そして約2年前に今の所属先に移り、この大会は会場から車で約20分の自宅から通っている。
ゴルフを始めた時から師匠はおらず「ずっと試行錯誤しながらやってきた」と明かす。少しでも実戦感覚を養うべく、今週は月曜に予選会の突破を決めた後、火曜水曜に奈良で行われた近畿オープンに出場。見事優勝し「これまでで最高額」という賞金200万円を手にした。今季のツアー参戦はこれで3戦目、現在の獲得賞金は約235万円で、賞金ランクはシード圏外の111位となっている。それでも目指す目標は大きく「今日みたいにちゃんとできればトップ10は狙えるかなと思います。1週間に2勝は初めてなので勝てれば1番いい。シード(確定ラインまで)あと1300万円ぐらいいりますけど、残りが賞金の高い大会ばかりなので、今回500万ぐらい勝てたら1番いいなと思います」と今後のプランを思い描いた。
決してこれまでエリート街道を歩んできたわけではないが「シードを取っていずれは米国とかに行ってやりたい。そのために今積み重ねています。恵まれているとか、そうでないとか関係ない。結果が全てだから」と力強い。また現在スポンサー企業もないため「この大会でアピールできたら」と意気込んだ。