◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権第3日(2日、兵庫・ABCGC)
米ツアーを主戦場とする小平智(30)=Admiral=が1イーグル、8バーディーで大会コースレコードと自身最少に並ぶ「62」をマーク。通算13アンダーで33位から首位と2打差の3位に急浮上した。前週のZOZOチャンピオンシップでタイガー・ウッズ(43)=米国=と同組で回り「このスコアはタイガーのおかげ」と感謝した。2年連続の賞金王を狙う今平周吾(27)=フリー=が15アンダーで首位。
急きょ今大会の参戦を決めた小平が、瞬く間にリーダーズボードを駆け上がった。4番から3連続、9番では12メートルを沈めて前半だけで6バーディー。後半も勢いは止まらず、15番では残り265ヤードの第2打を3ウッドで4メートルにつけイーグルを決めた。ボギーなしで62を叩き出したが「11個(アンダー)にしたかったですね…」と18番で8メートルのイーグルパットを外し、自己新記録を逃したことを悔やんだ。
「ZOZO―」の初日、3連続ボギー発進から9バーディーと巻き返し優勝したウッズの姿を同組で目の当たりにした。自身も前日の第2ラウンドでは1番から3連続ボギー。一時は予選落ちの危機に陥ったが「そこからスイッチが入った」とウッズのようにバーディーを量産し続けた。前週は37位に終わったものの、通算82勝目を飾ったレジェンドから得たものは大きかった。「諦めないし、崩れなかったのは見習わなきゃ。3連続ボギーからのこのスコアは、タイガーのおかげというのはあるんじゃないですかね」と感謝した。
今週は試合に出ず拠点を置く米国に帰り、練習や休養に充てる予定だった。しかし状態も良かったことから「試合に出てイメージを良くして米国に戻りたい」と締め切りギリギリで今季日本ツアー6戦目となる今大会への出場を決めた。
9月に30歳の誕生日を迎え「テンションが下がります。この年に自分がなるとは…。未知の世界」と苦笑いした。勝てば日本ツアーで2013年から7年連続V。次戦から米ツアーに戻ることもあり「優勝しか見ていないし、絶対に勝ってアメリカへ帰りたい」と力を込めた。12月には昨年度覇者として臨む国内メジャーの日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)も控える。タイガーのごとく優勝トロフィーを掲げて、1年の締めくくりに向かう。(筒井 琴美)