山口すず夏、米国内の悲惨現状語った…帯同の父「こっちにいる方が感染してしまう」


ジュニア時代から知る台湾の選手と練習ラウンドする山口すず夏(左)(父・裕之さん提供)

ジュニア時代から知る台湾の選手と練習ラウンドする山口すず夏(左)(父・裕之さん提供)

 米女子プロゴルフツアーに本格参戦し、2年目を迎えた山口すず夏(19)=環境ステーション=が米国時間16日(日本時間17日)、スポーツ報知の電話取材に応じた。父・裕之さんとカリフォルニア州サンディエゴで調整していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアー3試合が延期。米国内の商品買い占めにより棚が空になったスーパーマーケットの悲惨な状況を明かすとともに、今後への意気込みを語った。

 山口は2月にオーストラリアで2戦(39位、予選落ち)後、米国の入国規制を心配し、2月末に日本から渡米した。現在は二人三脚でツアーを転戦する父・裕之さんとサンディエゴの借家に滞在し、調整を続ける。

 出場予定だったファウンダーズCを含む3試合が12日に中止。「試合がなくなりショックはある」と振り返るが、「調整期間は延びたと思うので、いつ始まってもいいように練習するだけ。もう少しショットが安定すれば、上位で戦える」と気持ちを切り替えた。

 カリフォルニア州では4日に非常事態宣言が出され、米国の感染者は3500人以上、死者65人以上。スーパーに行くと衝撃の光景が広がっていた。大型店ではトイレットペーパーなど日用品やパスタなどの食材が売り切れ、棚が空っぽ。水も不足し、レジは大行列で「野菜も何もない。こんなことってあるんだ」と驚くしかなかった。米国では普段からマスクをする習慣がなく、裕之さんは「こっちにいる方が感染してしまうかも」と心配を口にした。

 州内のゴルフ場はビジター利用不可であったり、一時休業している施設もある。サンディエゴにある名門のパブリックコース、トーリーパインズCCでは受付に並ぶ人の間隔を6フィート(2メートル弱)空ける対策が取られたという。米疾病対策センターが16日、50人以上で行うイベントの今後8週間の見合わせを勧告したことで、ツアーでは5月の第1週まで対象となる見通しとなった。山口は週明けにも帰国し、国内で調整する予定だ。

 目指すのは、賞金ランク20位以内と米ツアー優勝。安田祐香、古江彩佳らと同じ2000年度生まれ、ミレニアム世代の一員は「(渋野)日向子さんが全英で優勝してゴルフ人口が増えたように、自分たちの代で盛り上げたい」と逆境でも前を向いている。(岩原 正幸)

 ◆山口 すず夏(やまぐち・すずか)2000年8月2日、相模原市生まれ。19歳。7歳からゴルフを始める。15年の全米女子オープンに14歳で日本人メジャー最年少出場。18年秋の米ツアー予選会を通過し、同年末にプロ転向。東京・共立女二高卒。参戦1年目の昨季は賞金ランク150位。今季は予選会16位の資格で出場する。得意クラブはパター。160センチ。

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