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ゴルフ日本プロ選手権(石川)は尾崎3兄弟が優勝争いを展開し、大きな盛り上がりを見せた。
2位からスタートした三男・直道(42)が1イーグル、4バーディー、3ボギーの69をマークし、通算5アンダーで大会初制覇。2打差2位には長男・将司(52)、3打差3位に次男・健夫(45)が入り、国内ツアー史上初の“兄弟ワン・ツー・スリー・フィニッシュ”となった。
3日目に首位に立ったのは健夫だった。直道は4打差で、最終日をスタートした。573ヤードの1番パー5で、エッジまで残り240ヤードの第2打を3ウッドでピン上5メートルに乗せると、これをねじ込みイーグル発進。前半だけで4つ伸ばし、勢いづいた。
逆転での日本タイトル3冠も、素直に喜ぶことは出来なかった。「自分のことだけなら本当にうれしい。でもジェット(健夫)のことは…。2つのことを一緒に考えられないんだよ」。次兄の6年2か月ぶりの復活Vを阻むことになり複雑な表情を浮かべた末弟だったが、尾崎家によるメジャー上位独占は、やはり格別。「兄弟そろって1、2、3位って初めて。40代を過ぎても3人そろってなんて、ホントすごいね」と、たたえ合った。
直道は10月の日本オープンで、初日から首位を譲らぬ完全優勝を決め、史上5人目となる日本タイトル(オープン、プロ、マッチプレー、シリーズ)4冠を達成。このシーズン3勝を挙げ、91年以来2度目の賞金王(1億3764万1796円)に輝いた。