驚異のエージシューター田中菊雄の世界136 武藤一彦のコラム-40連続ASの記録達成


 エージシュートを40回、連続記録達成。ついにわが名人は、ギネスものの大記録を達成した。9月17日である。ホームコースのよみうりGCを37,36の73でまわり、8月2日、同コースを38,42の80で回って以来、続けていた連続エージシュート記録を実に1か月半、1回として失敗することなく40ラウンドすべてエージシュート。見事40連続の大台に乗せたのである。
 スコアを別表にしたのでじっくりご覧いただく。

 

回数  スコア     通算回数
 1 38,42=80 615回 8月2日
 2 39,46=85 616回   3日
 3 39,40=79 617回   4日
 4 37,46=83 618回   5日
 5 40,44=84 619回   7日
 6 39,37=76 620回   9日
 7 40,43=83 621回  10日
 8 40,42=82 622回  11日
 9 43,37=80 623回  12日
10 39,41=80 624回  13日
11 40,42=82 625回  14日
12 36,39=75 626回  16日
13 41,39=80 627回  17日
14 42,37=79 628回  18日
15 37,42=79 629回  19日
16 39,40=79 630回  20日
17 40,39=79 631回  21日
18 42,38=80 632回  23日
19 37,40=77 633回  24日
20 40,41=81 634回  25日
21 41,37=78 635回  26日
22 43,37=80 636回  27日
23 37,38=75 637回  28日
24 36,41=77 638回  30日
25 42,37=79 639回  31日
26 39,39=78 640回 9月1日
27 37,39=76 641回   2日
28 39,38=77 642回   3日
29 40,43=83 643回   4日
30 38,40=78 644回   6日
31 41,41=82 645回   7日
32 41,41=82 646回   8日
33 40,39=79 647回   9日
34 38,36=74 648回  10日
35 38,41=79 649回  11日
36 35,42=77 650回  13日
37 41,38=79 651回  14日
38 36,38=74 652回  15日
39 41,40=81 653回  16日
40 36,37=73 654回  17日
(注 8月12、23,9月16日は木更津GC、それ以外はよみうりGC)

 

 ご本人のメモをもとに作成した。お断りしておくが、85歳のベテランゴルファーである。余白に興奮のあとが生々しくメモしてある。「2020年8月2日から9月17日まで、総打数3164ストローク、40ラウンドの平均スコアは、79・1」「土曜日は休日とし、その他の日はすべてラウンドに当てた。スコアが出続けるので引くに引けない。また楽しからずや」―休日と決めた土曜日は、会社の仕事や家の芝刈りと毎日必ず体を動かし詰めだ。“仕事してないですね”と厳しい見方もあろうが、ラウンドするコースは自宅から30分のホームコース、このラウンド中、木更津GCへアクアラインを走って“遠出”が3回だけ。あとはすべてよみうりGC。とはいえ普段のラウンド後は必ず自宅のある神奈川・川崎市に戻り会長職に就く。何しろ島根から都会に出て起業して以来、夕食を家で摂ったことがないという仕事人間。ゴルフは朝の散歩くらいにしか思っていない。
 連続記録のこだわりは単なる偶然だ。表を見ていただくとわかるが、8月3日は清子夫人、3男・雄三さん、その長男で孫の陸雄さんとのラウンドで39,46の85とぎりぎりのエージシュートだった。筆者も5日には漫画家の安孫子素雄さんらとご一緒したが、83と楽々クリア。しかし、エージシュートはこのあたりから連続し始め、それにつれてスコアが出始めた。
 すなわち、15日には75、85歳が10アンダーで回るロースコア。以来、「これはエージシュートに赤信号」といった“ピンチらしいピンチはなし。”調子のよいピッチャーが次々と強打者を打ち取っていく感じで波に乗る。連続にこだわっていたら本来の目標である通算回数は面白いように伸びて気持ちはさらに乗っていく。20日には630回、9月1日に640回、同13日には650回(連続記録は36回)だ。
 そしてついに17日、40ラウンド目。年令に12アンダーの自己タイに並ぶ73で40連続、通算654回に達し乗せたのだった。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。85歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。