◆女子プロゴルフツアー TOTOジャパンクラシック第1日(6日、茨城・太平洋C美野里C=6554ヤード、パー72)
第1ラウンドが行われ、日米ツアー通算5勝の渋野日向子(21)=サントリー=が5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの1アンダー71。今季国内で初のアンダーパーで回り、首位と6打差の38位発進した。昨季は国内ツアーで4勝を挙げたものの、今季は2戦連続予選落ちと苦しむ中、復調へ好材料を手にした。65で回った藤田さいき(34)=チェリーゴルフ=とペ・ソンウ(26)=韓国=が7アンダーで首位に立った。
渋野から安どの言葉がこぼれた。昨季は日米で5勝と飛躍したが、今季は国内ツアーで2戦連続予選落ちと苦しんできた。ツアー出場3戦目で、初のアンダーパーとなる71で回り、「久しぶりにアンダーを出せたので『やっとだな』という感じです。最後の(18番パー)パットもちょっとしびれましたね」とホッとした笑顔を見せた。
1番でバーディー発進も、4番で第2打をグリーン手前のバンカーに入れ、球が埋まるトラブルに見舞われた。球は見つからず、同組の畑岡奈紗、原英莉花(ともに21)も近寄っていき、球の所在を確認する渋野を見守る一幕も。このホールダブルボギーなどと前半は出入りの激しいゴルフとなった。
後半はスイングに違和感を抱えながらもショットに修正を利かせ、11番パー4で残り124ヤードの第2打を8アイアンでピンそばに寄せてお先バーディー。12番も5メートルのパットを沈めて連続で伸ばした。プレーに集中するあまり、お菓子に手をつけられなかったが、後半に入りようやく“もぐもぐタイム”があってチャージにつなげた。
昨季は海外メジャー、AIG全英女子オープン優勝に、国内4勝とシンデレラストーリーを描いたが、今季は国内で予選を通過できず、苦悩が続く。今大会前には「結果より内容を気にしていく」とテーマをシフトさせ「要所で納得がいく内容が増えてきた」。前週の樋口久子・三菱電機レディスで初日31パット、第2日33パットと苦しんだグリーン上も「「今日は5メートルぐらいのも入って、今年では珍しい光景だった。先週が『マイナス100点』だったら、今日は(プラスマイナス)0点まで戻ってきた」と自虐的にも、復調への確かな手応えがあった。
今大会は予選落ちがなく、国内ツアーでは今季初めて3日間を戦う。初日に好材料を手にした渋野は「アンダーで回りたい気持ちは強い。今日よりもいいスコアを出したい」と前向きに話し、連日の居残り練習へと向かった。(宮下 京香)