木下稜介、大会コース記録タイ63で初首位「完璧なゴルフできた」…日本シリーズ初出場へ気合


6番、バンカーショットを放つ木下稜。通算5アンダーで首位に立った

6番、バンカーショットを放つ木下稜。通算5アンダーで首位に立った

 ◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 第2日(13日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)

 松山英樹と同学年で、首位と6打差の36位で出た木下稜介(29)=ハートランド=が1イーグル、5バーディー、ボギーなしで大会コースレコードタイ&ツアー自己最少の63をマーク。通算5アンダーで自身初の首位に立った。プロ8年目でのツアー初優勝を成し遂げ、目標とする今年最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(12月3日開幕・東京よみうりCC、報知新聞社主催)の初出場に意欲を示した。

 木下稜が無心でスコアを伸ばした。出だしの10番パー4。残り152ヤードの第2打をピンそば1メートルにつけてバーディー発進すると、11番で10メートルのパットをねじ込んで連続バーディー。後半の3番パー5(565ヤード)では2オンし、ピン手前4メートルにつけてのイーグル奪取だ。18年に松山が監修し改修されたコースで自己最少スコア63。初の首位に立ち、「いい意味で何も考えずに回れた。完璧なゴルフができて幸せです」と笑みをこぼした。

 今年1月のSMBCシンガポールオープンで日本人最上位の6位に入り、同7月の海外メジャー、全英オープンの出場権をつかんだ。くしくも全英初日の16日は29歳の誕生日だったが、新型コロナ禍で大会は来年に延期に。既に航空券を手配していたが、「誕生日も普通に(日本で)ラウンドして、ゴルフしていた。(来年大会へ)いい時間をもらった」と切り替えた。

 松山、石川遼(29)=カシオ=と同学年。高校時代を四国で過ごした旧友・松山はマスターズで好発進。木下稜は「僕もマスターズに出たい気持ちは強いので、まずは今週頑張らないと」と刺激を受けた。

 今大会か次戦ダンロップフェニックスで3位タイ以内、または賞金ランク上位に入れば日本シリーズ初出場が決まる。現在賞金ランク19位で最終戦出場の“圏内”にいる。昨年5月のミズノオープン(5位)初日に国内男女を通じて「令和初のアルバトロス」を記録した“持っている男”。プロ8年目の29歳は「秋のビッグトーナメントで勝ちたい思いは強い。JTは一つの目標だし、そこを目指したい」と気合を入れた。ツアー初優勝で最終戦の切符をつかみ取る。(宮下 京香)

 ◆木下 稜介(きのした・りょうすけ)1991年7月16日、奈良・北葛城郡生まれ。29歳。10歳でゴルフを始め、香川西高時の09年全国高校選手権2位。14年にプロデビューし、ダンロップ・スリクソン福島オープンで自己最高2位。18年に54位で初の賞金シードを獲得。今年1月のSMBCシンガポールオープンで日本人最上位の6位に入った。174センチ、75キロ。

 ◆日本シリーズJTカップの出場資格

 例年通り30人が出場し、〈1〉前年大会覇者〈2〉今年のツアー5大会の優勝者〈3〉同3位タイ以内〈4〉賞金ランク上位者に出場権が与えられる。ここまで、昨年大会を制した石川遼(29)ら9選手の出場が内定。残りの出場枠は、今大会とダンロップフェニックス(19日開幕、宮崎・フェニックスCC)で争われる。

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