ボランティアが支えるゴルフ日本シリーズ
プロゴルフトーナメントの大会運営を影ながら支えているのがボランティア。その統括・管理を行う日本プロゴルフ協会の事業企画部・麻賀裕之課長は、「やはり最終戦とあって、皆さん、特別な魅力を感じていらっしゃるようですね」と、ゴルフ日本シリーズJTカップに集まるボランティア希望者の多さに、改めてファンの大会に対する熱い思いを感じている。
日本シリーズへのボランティア参加は1995年の第32回大会から。当初はPGAファンクラブに所属する8名がドライビングディスタンスの計測係を務めた。トーナメントにスタッフの一員として参加する充実感と、トッププロのプレーや表情を間近に見られるという希有な体験。そんなボランディアの魅力は口コミで拡がり、一般告知をしていないにもかかわらず、今度の第51回大会には4日間合計468名のボランティアの参加が予定されている。
現在、大会ボランティアは12の係に分かれている。参加受付時に担当の希望を出せるようになっているが、「どうしてもマーカーやキャリングボードなど、選手の近くにいられる係に人気が集まってしまいます。ひとりでも多くの方が体験できるように、そういう係はおひとり1日のみご協力いただくようにしています」と、麻賀課長はボランティアへの細かな配慮を忘れない。
人気の係に空きができたときのくじ引きや、ひいきの選手のアテンドを巡っての“じゃんけん勝負”や“トレード”で盛り上がるなど、毎年現場は和気あいあいとした雰囲気に包まれる。しかし、楽しいだけでは公式競技のボランティアは務まらない。「開催期間中は毎日朝礼を行い、服装や業務態度、注意事項の確認などを行っています」。その効果もあって、今ではボランティア同士が互いにチェックし合い、ビッグトーナメントにふさわしいマナーと品格に向上に努めている。
ボランティアに年齢・性別は関係ない。今回の最年長は81歳の男性。そして、女性ボランティアの数は回を追うごとに増えている。
「業務終了後、『あの選手の今日のショットは~』とか楽しそうに語り合ったり、『また来年ここで!』と再会を約束されたり。ボランティアの皆さんは、大会のサポートを果たすことで多くの楽しみを持って帰られるようですね」と麻賀課長も目を細める。
ボランティアは、ゴルフ日本シリーズJTカップの円滑な運営をサポートすることで、より深くゴルフの魅力に触れ、ゴルフを愛するもの同士の心地よい出会いを楽しんでいる。