タイガー・ウッズ、自動車大事故で選手生命の危機…右足粉砕骨折の重傷


 米男子ゴルフで歴代最多に並ぶツアー82勝のタイガー・ウッズ(45)=米国=が23日(日本時間24日未明)、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で自身が運転する乗用車が横転し、大破する大事故を起こした。ウッズの財団は同日、粉砕骨折の重傷で右すねや足首の手術を受けたことを発表。意識はあり命に別条はないが、目標にしていた4月のメジャー、マスターズでの復帰は絶望的で、選手生命への重大な影響が懸念されている。

 世界に驚きを与えた事故だった。現場はロサンゼルス近郊の緩やかなカーブの下り坂。ウッズは早朝、自らが運転中、中央分離帯を乗り越えて反対車線側の縁石に乗り上げ、複数回転げて道路脇に突っ込んだとみられている。保安当局は記者会見で、現場にブレーキ痕はなく、車は「かなり速いスピードで」走行していたとの見方を示した。飲酒運転の可能性を示す証拠はないという。

 スポーツタイプのSUV車は道路を10メートルほどそれた低木の多い緑地帯で運転席を下に、横倒しになっていた。ボンネットが開き、フロントガラスが割れるなど激しく損傷。駆けつけた捜査員の呼びかけには「タイガーだ」と応じ、シートベルトを装着していた。消防隊員らが器具で車両をこじ開けて救出し、救急車で病院に搬送された。当日は有名人向けのゴルフレッスンに向かう途中だったとされる。

 意識はあり命に別状はないが、ロサンゼルス・タイムズ紙は保安官の「彼が生きていたのは幸運だ」との談話を伝えた。救急搬送された病院で右すねと右足首の緊急手術を受けたことを同日、自身のツイッターを通じ財団が公表した。担当医によると、重傷を負った右の脛(けい)骨と腓(ひ)骨、右足と足首がボルトなどで固定されている。会話もできる状態であることも報告された。

 ウッズの交通事故、トラブルは不倫騒動に発展した09年、飲酒または薬物下で運転して逮捕された17年に続き3度目。昨年12月に自身5度目となる腰の手術を受け復帰を目指しているところだった。今回の事故で4月のマスターズはもちろん、現時点で代表圏外だが出場に意欲を見せていた東京五輪も絶望的。長く腰痛に苦しみ、45歳という年齢からも、選手生命のピンチに立たされたといえる。

 ただ、かつて1949年に交通事故でろっ骨、足首などを骨折する重傷を負いながら、その後全メジャー大会を制したベン・ホーガン(米国、故人)のような劇的な復活を遂げた例もある。これまで故障やスキャンダルなど多くの困難を乗り越えてきたゴルフ界のヒーローの復帰の経過は注目される。

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