◆報知新聞社後援 ▽女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 JLPGAツアー選手権リコー杯 第3日(27日、宮崎・宮崎CC=6543ヤード、パー72)
賞金ランク2位で、約1697万円差からの逆転女王を狙う古江彩佳(21)=富士通=が通算6アンダーで首位から陥落し、3打差2位に踏みとどまった。3バーディー、4ボギーで2日連続の73で回り、ランク1位の稲見萌寧(22)=都築電気=へ重圧をかけた。23位で出た稲見は古江の猛追にあらがう69の1アンダー、首位と8打差15位に浮上。3日目終了時の2人の順位で獲得賞金を計算すると約22万7000円差で古江がツアー史上最少差での女王に。超肉薄の賞金女王バトルは最終日に決着する。
古江が逆転女王への最低条件の単独2位を死守した。最終18番はボギー。2日連続のオーバーパーだったが、「ショットが安定しない中、まだ耐えられた方」と前向きに捉えた。前半は7番までにボギー3つと苦しい展開で「ショットの出来は60%」と厳しく採点した。それでも、9、10番で連続バーディーと崩れなかった。
3日目を終えて古江が2位、稲見が15位タイ。これが最終日の成績としてそろばんをはじくと、9月時点の約7248万円のツアー史上最大差の逆転劇となり、22万7526円上回る。これまでの最小差決着は1999年の村口史子の約53・3万円だ。最終戦での逆転女王は2009年横峯さくらなど過去5例、うち3例が優勝で決めた。
東京五輪直前の代表争いでは、古江は6月28日の世界ランクで稲見にわずかに及ばなかった(稲見27位、古江29位)。逆転には優勝が最低条件だった6月最終週のツアーで11位に終わり、悔し涙を流した。リベンジの思いもあり、「最終日は弱気になることがないように」と言い聞かせた。ラウンド後はコーチで父の芳浩さんに見守られ、ショットを確認。子どもの頃からの夢である賞金女王へ強い決意をにじませた。(岩原 正幸)