松山英樹耐えた14位…連覇ならずも来年グリーンジャケット取り戻す「また外に持ち出しできるように」


◆米男子プロゴルフツアー 今季メジャー初戦 マスターズ 最終日(10日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC=7510ヤード、パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)10日=岩原正幸】松山英樹(30)=LEXUS=は72で通算2オーバー14位で終え、史上4人目の連覇を逃した。3月に痛めた首周辺の不安がある中で戦い抜いたが、5バーディー、5ボギーと出入りの激しいプレー。試合後の表彰式で、10アンダーで優勝したスコッティ・シェフラー(25)=米国=にグリーンジャケットを着せ「また外に持ち出せるように頑張りたい」と来年大会でのV奪回を誓った。

 最終18番、第2打を打ち終えた松山がグリーンに歩みを進めると、総立ちになった数千人の観客(パトロン)から万感の思いがこもった拍手が贈られた。帽子を取って応える昨年覇者。惜しくも5メートルのバーディーパットは外れ、パーでスコアを伸ばせなかったが、ホールアウト後も大拍手が湧き起こった。

 「なかなか思うようなプレーができなかったが、4日間できて良かった。もう少し優勝争いに絡みたかった」。第2日に5打差2位で決勝ラウンド進出も、第3日に77と落とし、通算2オーバーの14位。史上4人目の連覇は逃したが、首痛で出場が危ぶまれた中、不屈の姿勢を見せ続けた。

 3月のアーノルド・パーマー招待の第2日(同4日)朝、首から肩甲骨にかけて突然痛みを発症した。翌週の“第5のメジャー”と言われるプレーヤーズ選手権を第1R(同10日)開始前に無念の棄権。患部の炎症をアイシングでおさえ、自宅で静養に努めた。同21日に練習を再開したが“前哨戦”として臨んだマスターズ前週のテキサス・オープンは第2R途中棄権。「水曜日(同30日)からまた痛みが強くなった」と不安を抱えたままマスターズ週を迎えた。

 それでも、懸命の治療のおかげで「今は炎症もなく、普通にできている。間に合った」(関係者)と、最低限戦える態勢を整えた。松山は「今週は痛くてもやるつもりだった。1か月くらいまともにゴルフができず、体力的にというより精神的にしんどかった」と心境を吐露。「痛みなく72ホールできた。トレーナーに感謝したい」と語った。

 大会後の表彰式ではシェフラーにグリーンジャケットを着せ、両肩をポンポンとたたき、握手で祝福した。ジャケットはコースに返却したが「また頑張って、(優勝して)外に持ち出しできるように頑張りたい」と、23年大会でのタイトル奪還に気持ちを向けた。

 ◆英樹に聞く

 ―最終日を振り返って。

 「(一日)6、7アンダーくらい目指して頑張ったけど。最初からパットが入らなかった」

 ―史上4人目の連覇に挑んだ。

 「(状態が)悪くてもこの位置で回れていることは良かった」

 ―王者として重圧は?

 「(5日の)チャンピオンズディナー以外は何も思わなかった」

 ―今後の日程。

 「(5月の)全米プロまでどうするか何も決めていない。トレーニングができていなかったので、しっかりやらないと。もう少し体力をつけて、練習もしっかりしたい」

 ―来年のマスターズへの課題。

 「まず、けがをしないでここに乗り込んできたい」

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