◆女子プロゴルフツアー ニッポンハムレディス 第1日(7日、北海道・桂GC=6763ヤード、パー72)
ツアー本格参戦3年目の後藤未有(21)=やまやコミュニケーションズ=が6アンダーで自身初の初日首位発進した。4戦連続予選落ちと不調が続いたが、米男子ツアーのスーパープレー集で好イメージを焼き付け、7バーディー、1ボギーで自己ベストに並ぶ66を記録。“ミレニアム世代”4人目と、21年6月に延期実施された20年度プロテスト合格組で一番乗りの優勝をつかむ。藤田さいき(36)=チェリーゴルフ=、野沢真央(25)=愛知製鋼=も首位。
2000年度生まれ「ミレニアム世代」の後藤が7バーディーを量産し、スコアボードを駆け上がった。前半の10番、14番、後半の6番と58度ウェッジのショットをいずれも“ベタピン”につけ、「着々とスコアを伸ばせて余裕を持ってできた」と、うなずいた。
20年8月NEC軽井沢72の第2日以来の自己最少66で、その時以来の首位に立った。今季は4~5月にトップ10が4度あるが、ここ4戦連続で予選落ち。帰りの車で悔し涙を流すなど「全体的に調子が良くなく、今週も自信を持って臨めていなかった」と、本人も驚くほどの好発進だった。
復調のきっかけは“イメトレ”だ。今週は試合前日の練習を、普段の4~5時間から半分以下の2時間で切り上げ、休養に充てた。空いた時間に、メジャー4勝のマキロイ(英国)ら米男子ツアーのプレー映像をユーチューブで再生し「イメージが良くなった。自分もスーパープレーをしている姿を想像して、今までの悪いイメージが払拭された」と効果はバッチリだった。
古江彩佳(22)、西村優菜(21)と同学年で、2度目の挑戦となった昨年6月のプロテストに合格。同じ93期生では1打差4位の佐久間朱莉(19)らがおり、「同期(合格)の中で一番に優勝したい。同学年や年の近い選手の活躍は、焦って頑張ろうという気持ちになる」と、コロナ禍で延期実施された20年度合格者で一番乗りのツアーVを目指す。
昨年大会は113位で予選落ちと悔しい思いをしたが、「今日一日でコースに対するイメージが変わった。(残り)3日間、毎日アンダーで回って上位で戦いたい」。自信がよみがえった後藤が、北の大地で頂点を見据えた。(岩原 正幸)
◆93期生メモ 2020年度の最終プロテストはコロナ禍で21年6月に延期。佐久間朱莉がトップ合格で、2度目挑戦の後藤は6位で合格。他には岩井明愛(あきえ)・千怜の双子姉妹、小倉彩愛(さえ)、阿部未悠、上野菜々子、桑木志帆らがいる。昨年11月の21年度プロテスト組(94期生)は尾関彩美悠(あみゆ)、佐藤心結(みゆ)らがいるが、優勝者は出ていない。
◆後藤 未有(ごとう・みゆう)2000年9月29日、福岡・北九州市生まれ。21歳。宮里藍に憧れ、4歳からゴルフを始める。18年の日本女子オープンでアマ最上位の8位に入る。福岡・沖学園高卒。19年はナショナルチームで活動。20年はQT64位で単年登録プロとしてツアー出場。昨年6月のプロテストに合格。ショートゲームを得意とする。家族は母、兄、姉。157センチ、58キロ。